推しの17

 「『エキストラに応募してくださった皆さん。本当にありがとうございました。こんなに応援してくれて本当に嬉しい。心からお礼を言います。そして、応募できなかった皆さんにも。皆さんが堂々とふぁいからりーふのファンだと言えないのはあたしたちの責任です。あたしたちが世の中に認められていないから。でも、いつまでもそんなことはつづきません。いえ、つづかせません。あたしたちがきっとグラミー賞を取って、アイドルの社会地位を引き上げます。誰もが堂々と『アイドルが好き』と言える世の中にして見せます。ですから、その日まで応援してください。よろしくお願いします』

 ああ、しろハー、何て優しい子! あたしみたいなダメ人間にまでお礼を言ってくれるなんて。

 そうよ。忘れていた。あたしにはふぁいからりーふがグラミー賞を取るまで支えるという、大切な役目があったんだわ。その役目を放棄して、お寺なんかに籠もっている場合じゃない!

 まっててね、しろハー。すぐに戻るわ、あなたのもとへ。

 そして、一緒にグラミー賞めざしてがんばりましょう!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る