第42話

雷くんは隣の部屋で布団を敷いて寝た。


「あのさぁ、風俗のあったところってさ…」


なんでこいつ知ってるの?


「行ったけどなかった。雪乃はどこにいるか探した」


「なんでそんなこと知ってんのよ」


「夢で何度も見たから。雪乃が逃げようとすると、路地で捕まって、変なコスプレして」


「…な、なんで」


「これ、あってる?」


「なんなの…」


「助けに行けなくて、ごめん。夢で何度も見たのに」


「雪見の夢…?どういうこと?」


「だから、夢で現実に起こることが見える。昔からそうだったけど、怖いからもう見たくないって思ってたのに…雪乃が、死ぬかと思ったし、見たくなかったのに勝手に夢に出てきて」


「なんで…」


「…汚い男の足舐めたり」


「ちょ、ちょっと!な、ありえない!なに見てんのよ!」


「え?」


「私の裸見たってこと?最低!」


「見たくなかったよ!だから暴れてたら精神科医呼ばれたし」


「その変な夢、なんなの?雪見は助けてくれないのになんで?」


「知らねーし!雪乃が嫌がってるのにやらせろとか言って、気持ち悪い」


「あんたほんと最低!嫁がいるくせに!人の裸勝手に見てんじゃないわよ!」


「俺だってやだよ!」


「やだー!やめてよきもい!」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る