第37話

「なんだ?」


「ラブホか風俗に知り合いとかいませんか?」


「あぁ?お前なにがしたい」


夢路ゆめじって言う人、働いてませんか?」


「は?」


「姉が働いてたら、困るんです」


「姉がいたのか。一応確認はする」


「ありがとうございます」


さっすが兄貴。調べてくれる。みるくは1人で帰ってもらった。

そして、連絡は仕事中にきた。


「いないってよ。姉探してんのか?」


「はい…どこにいるかわからなくて」


どこ探そう。まじで、姉のことほっといて、俺って最悪。夢に出なくなったけど、それって最悪なんじゃ?怖い。


翌日、住職に再び相談する。


「雪見、なにか思い出すことは?」


「消したいと思ったことが多くて、忘れてしまって」


「物もないからなぁ」


…困った、お手上げ。


「あ、あの…住職、ゆきみさん」


「なに?」


みるくはおずおずと部屋に入ってきた。


[胸が張ってるし…生理もなくて…]


「なにそれ?生理?」


「おぉ。病院に行きなさい」


「え、住職?わかるんですか?」


「雪見、子供ができたそうだ」


「まだわからないですよ!」


「確認してもらえばいい。2人で総合病院に行きなさい」


「え、子供?病院?」


言われた通り、病院まで2人で歩いて行く。さっきの解説もしてもらった。


「お姉さんいたのに、女の子のことなんにも知らないね」


「知らなかった、貧血になる?」


「なるよ」


「へー。じゃあ妊娠してたほうがいいの?」


「そういうことじゃないよ」


「わかんねぇ」


うわーでけー病院。初めて見る。


「私、捻挫したとき来たよ」


「へーえ」


ふっと、なにか気配を感じた。


「ごめんちょっと…気になることが…」


「行ってらっしゃい。私一人で大丈夫だよ」


別行動に。病院近辺の気配のするあたりに近寄ろうとするが、離れる。

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