第36話

「ゆきみさん、手伝って」


「あー、うん」


「ん?誰の声?」


「みるく」


「誰だよそれ。新人?」


「隼人はそこで待っとけよ?」


ん?雪見は更衣室に。なにしてんだ?


「お待たせ。またドレス借りるから」


「あ、こんばんは…」


「あ?高校生の子。また連れてきたんだな?」


「あ、そうだ。結婚した。つっても紙出しただけだけど。今日出したんだったっけな」


「うん」


仲良さげ?


「え、結婚?…はぁ?」


「それでさぁ、ラブホに知り合いとかいる?風俗とかでもいいけど」


「いやいやお前なに!結婚?なのになんで風俗?」


「あー、それは調べたいことあって」


「いや、…え?なんで結婚?」


「みるくがしたいって」


つーか、下の名前呼びかよ!いつのまに?


「えー、まじかよ」


確かに雪見はいいやつだが、借金あるし、不安。


「あの、…借金のこと知ってます。それでもゆきみさんがいいんです」


変わった子だな。俺が借金のこと言おうと思ったら言われた。


「で?知り合いは?」


「いや、兄貴に聞け」


「番号は?」


「ったく…」


携帯貸すしかねーじゃんか。


「あー天野雪見です」


それ俺の携帯だけど。

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