姉を探す

第35話

北海道旅行は一瞬だった。もうちょっと遊んでもよかったかも?…金ないけど。

今日も公園でトレーニング。休憩してたらみるくがやってきた。今日の格好は、品がいい格好らしい。よくわからない。


「お姉さんのこと、どのくらい覚えてる?」


「家も忘れた。店はもうないし…」


「なにか他には?」


「姉はすごい頭がいい大学に行ってる、と思う」


「それって、東大?」


「さぁ?」


「行ってみようよ」


「え、うん」


修行中だけどいいや。道はみるくが知ってるらしく、電車を乗り継いで行けた。


「遊びに行ったことあるんだよ。学食とか誰でも使えるんだよ」


「へー」


「何年生?」


「…えっと…たぶん3年?」


うろうろしたけど、なにもわからない。

みるくもわかんないし、結局帰ることに。


「そろそろ仕事行かないと。あー歩いたし汗かいたから店でシャワー浴びなよ」


「いいの?」


「いいよ」


掃除しつつ考える。あと、どこ探そう?もしかしたらラブホまで出向いて行くようになったとか?


「お、雪見。出張お疲れ」


隼人がやってきた。


「あのさぁ、借金したやつ見つけた」


「まーじ?」


「でも、もういい。俺が肩代わりするから、そっとしとく」


「なに、病気か?」


「いや。酪農家になってて。仕事してたけど…地元に帰りたくないらしいから、ちょうどいい。あいつの親はなにも知らないし、知ったら責任取りたくなっても困る」


「…雪見は、それでいいのか?」


「いいよ。関係ない人を困らせたくない」


「わかった。言わない」

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