第34話

普通に高校通いたかった。でも…それだと隼人と出会えないし、それにみるくとも出会えないし。俺の選択は間違えてたのかもって、思うこともある。俺は、よくばりかもしれないけど…辛いのはもう嫌だな。

でも姉は、変な風俗でひどいめにあってるかもしれない。それが、まだ続いてるのかと思うと辛いし、どうしていいかわからない。

姉に会いたいけど会えない。どこにいる?親に捨てられた俺を迎えたばかりに姉は…


「ゆきみさん、お姉さんいるんだ。夢って?」


「夢は、現実を写す。ほとんどが一致してる。怖いことだけ、夢に…現れる」


「…ラーメン食べないと」


借金のことなんて、もうどうでもいい。

なんのために努力した?金を手から出せるように?そんなんじゃない。姉をあの場所から助けたい、自分だけ良い境遇がいけない気がする。


「ラーメン、うまいね」


「お姉さん探すの、私も手伝うよ」


「え…全部聞こえるのかよ…すげぇ」


「私も、力を使えるようになりたい。人のためになりたいな」


「もう充分使えてるって」


「そうかな?ゆきみさんってたくさんのこと考えててなかなか読むのが難しくて」


「いらねーこと読まなくていい」


「そんなに考えてたなんて知らなかった」


「は?」


「なんにも考えてないと思ってた」


「なんだと」


「ぼーっとしてると思ってたもん」


「考えてるし」


「考えすぎてたんだね」


「なんで笑うんだよ」


「ううん。よく返事が適当になってるときあるから」


「なにそれ」


「人の話あんまり聞いてないのは確かだよね」


「そういうこともあるけど。みるくはだいたいうるさいし、意味ないこと考えてる」


「聞かないでよ」


「聞かせてるから」

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