第31話

翌朝、部屋から出る時若いカップルと遭遇。


「うお!めっちゃエロい女じゃん」

「ちょっと、やめなよ」


絡まれる…。


「昨日さぁ、鳴いてたよな?俺も相手してよ」


聞こえてるし!ゆきみさんが声もっと聞きたいって言うんだもん。これは気持ちいいの?とか、こうしたらいいの?とか!とにかく声出させようとしたんだから!


「え、あの…」


「すみません、結婚してるのでご遠慮ください」


ゆきみさん…。その言い方なに?


「お前、いいご身分だな」


「彼女を大切にしてください」


「はぁ?彼女じゃない。昨日初めて会った」


「あ、そうですか」


「お前の女か知らねーけど、金やるから相手してよくれよな?」


「嫌です。だめです!警察に言いますよ」


「はー?なんだと?」


[はぁ、この男金もないし、下手くそなのに、なに考えてんだか。そんな自信あるわけ?]


「下手くその人とはできません!」


「…な、なんだと!」


[勝手に盛り上がって終わりだし]


「か、勝手に盛り上がって終わりなんて、最低!」


「はぁ?…なんだよ、その男がどんだけすげぇんだ?」


「ゆきみさんはすごいの!意識何回もなくなっちゃうんだからね!」


男は走って逃げて行った。


「あなた、私の相手しない?」


きゃー!ゆきみさんがナンパされてるー!


「結婚してるのでご遠慮ください」


その断り方しかないの?


「それだけじゃ引き下がれないわ」


「だめです!警察呼びます!」


「なんなのこの女」


女の人も逃げていった。


「じゃあなんて断ればいいんだよ。警察呼ぼうとするなよ。めちゃくちゃ嫌」


「だって!動揺しちゃったから」


「で、俺ってすごい?」


ひゃー!やだー!聞こえてる!


「いや、言ってた」


「うそー!」


やだ。もう、恥ずかしい。


「だから、しゃべろって」


「もー!」


「牛?」


ばかにしてる!もー!

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