第27話

お金はもちろん貸してもらって、お仕事も休んでもらって北海道へ。


うちは酪農をしている。久しぶりに牛たちに会えるのは嬉しい…けれども…


「お前か!娘をたぶらかした男は!」


「はじめまして、天野雪見あまのゆきみです」


雪見さんは、普段と変わらない感じで自己紹介をした。お父さんとの温度差がすごい。


「お父さん、話を聞いて」


「玄関で追い出してやる!お寺は長髪なのか?ふざけてるのか!」


「私は拝み屋をやっています。髪の長さは関係ありません」


[なんて態度の悪いクソガキだ!]


どうしよう…お父さん怒ってる。

なんとか…もっと気持ちがわかったら


[陸上で推薦で入ったのに、なんでこんな男に邪魔されないといけないんだ!世界大会に出るはずなのに。巫女になるなんて、怪我でもしたのかと思っていたらこれだ。この男に騙されたんだ]


あ…そうだ…!


「私、陸上はしない。…身体が成長して動けなくて、陸上でやっていくのは限界。巫女に向いてるって住職に言われて…もっとお寺のこと学びたいし、ゆきみさんを支えたい」


[…身体の成長?人間は成長する!]


「その男に騙されてる!」


「違う!…見てよ!」


羽織ってた上着を脱いでキャミソールになる。


[あ…れ?みるくはこんな胸が大きかったか?]


ぎゃーお父さんに注目されてる〜

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