北海道
第26話
「試合あるから見においでよ。旦那さんも一緒に」
市川くんから電話があった。嬉しい。旦那さんってゆきみさんのこと?
「ありがとう。確認してみる」
って…!結婚してるみたいになってるけど、全然なにもしてない。まず、両親に話してみよう。
「なに言ってる!巫女になるんじゃないのか?なにが結婚だ」
「お寺の人で…」
「たぶらかしたのか?寺の人が?」
「そ、そんなわけじゃ」
「その男を連れてこい!」
お父さんは怒ってる。巫女になりたいって言ったら許してくれたのに。
「住職、両親に結婚を反対されました」
「ふむ。雪見には話したのかい?」
「いいえ」
「公園に行ってみなさい」
「はい」
ちゃんと自分の言葉で伝えなくちゃ。
「ゆきみさん」
「ん?なに」
お昼ご飯?おにぎりを食べてる。15時だけど。
「北海道の両親に会ってほしいです。結婚反対されたから…」
「北海道?家が?」
「…あ、はい」
「へー行ったことない」
「そうじゃなくて!」
「高校の修学旅行は、北海道に行く予定だったんだよ」
「そうなんだ…」
なんだか、ちょっと切なそうな顔をした。
「お金ないから住職に借りようか」
「働いてるのに?」
「借金に全部あててる」
「…わかった。私が相談するね」
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