第25話

[雪見は人は好きだが、裏切られてきたから。かわいがってあげてくれ]


住職の声が聞こえる。


[疲れない程度に、ほどほどにしなさい?]


はい。


「それじゃあ瞑想をしてみよう。力を抜くことで、気持ちが落ち着くだろう」


なにもしないんですか?


[そう。考えてはいけないよ]


え…考えてもいけないの難しい…


[静かに]


うー、じっとしてるの難しい


長い…空気が重い


「全部聞こえてしまうね。私は席をはずそう」


いつまでしたらいいのー?


結局、タイマーが鳴ったので終わったと分かったけど、全然できなかった!


住職が再び現れる。


「巫女の服が届いたよ。私服に着物も似合うと彼女に言われて着物も買っておいたよ。着物はサイズがよくわからなくてね。一度着せてみてもいいかな」


え!?脱ぐってことですか?


「着方を教えるだけだ。服の上からでも着れるよ」


…なんだよかった。

住職はなんでもできるんだなぁ。

早速試着。


わぁ…すごい和服だ!これ、トイレはどうするのかな?


「大丈夫。裾をめくれるよ」


なるほど。


「なるべく思ったことは声にしてごらん?そうすると、コントロールできる。伝えたいと思ったときだけ伝えるようにしよう」


「…はい、わかりました。気をつけてみます」

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