お寺の嫁

第16話

少し間が開いたけど、公園にみるくがやってきた。今日はジャージじゃなくて私服なのかちょっとだぼっとしたスウェット?


「お寺、住みます!」


宣言した。


「行こうか」


「近いんですか?」


「近いよ?荷物持つよ」


「あ、あの…」


[結婚ってほんとにするの?]


「え、しない?」


[する。したい。でもお寺っていいのかな?]


「知らないけど…」


[えー。ドキドキする]


まぁいいや。いろいろ考えてるけど、そのまま連れて行った。


「この子です。連れてきました」


「これはこれは。可愛らしい」


「はじめまして、山本美久やまもとみるくです」


[こんなとこに来てよかったのかな」


「構いませんよ。力を使うと疲れるので私に委ねてごらんなさい?」


[え?]


[考えてるだけで言葉が伝わります]


[すごい…なんで?]


[雪見が気にしていた子ですね?]


[気にして?…え、結婚のこととか?]


[おや、結婚したいのかい?]


[でも、お寺っていいんですか?]


[いいですよ?]


「住職、声出して下さい。俺に聞こえないんですが」


「私の力で話してるからね。雪見は荷物を運んでなさい。雪見の隣の部屋でいい」


「わかりました」


あの2人。絶対なんかしゃべってる。雪見はちゃんと仕事してないとか?まぁいいや。




[あ、あの…住職。もしかしたら妊娠したかも…]


[ほう!それは嬉しい。孫が欲しかったんだよ]


[そうなんですか!]


[何人でも産んでいい。君は素晴らしい能力も持っているしね]


[え、な、なんですかそれ?]


「テレパシーができる」


「え…私が使えてるんですか?」


「練習したらまた発見があるかもしれないね」


「私、お寺のお仕事なにができますか?」


「巫女をやってもらおうか。と言っても、衣装を着てその辺を掃除するくらいだ」


「迷惑ですよね」


「そんなことはない。雪見をよろしく頼むよ」

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