第12話

シャワーを浴びて、またドレスを着る。なんで後ろチャックなんだろ。背中に手が回らない。


「あの」


そう言うとゆきみさんは入ってきた。


「はいはい。やるね」


よかった。スムーズに着れた。でもこれ、ちょっと動くと胸がずれちゃいそう。紐ついてないしちょっと小さいかな?


「きつい?」


「え、うーん…」


「あ、名前なんて言うの?」


え、どうしよ。本名言うの?みるくなんて顔に似合わないのに。みくでいいかな?


「みるく?」


「え!は、はい…」


恥ずかしい、いきなり名前呼び?


「そういう名前なんだ。珍しいね」


ゆきみさん、笑った顔も素敵。


「え、なにそれ照れる」


…どういうこと?考えてることとしゃべってることごっちゃになってわかんない。


「なんでも聞こえるよ」


あー!そうだ!そうだったー!恥ずかしいー!

思わず手で顔を覆う。


「あ」


ドレス下に下がっちゃう!


「きゃあ!」


慌てて隠す。


「合わなかった?」


雪見さんは、平気な顔してる。…私に興味が全然ないってこと?…そっか。


「ん?興味あるよ」


え、どういうこと?


「触ってもいい?」


えーーー!?う、うそ!

いや待って、興味ある?触るってなに?


「胸、触ったことない」


はぁ!?こ、こんなイケメンが?


「童貞だし」


えー!?

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