第11話

昨日は結局最後まで手伝わされたし、こき使われた。わざわざ行かなくてよかったじゃん。


「あの!ゆきみさん?」


「…ん?」


トレーニングしてたら、ジャージ姿の彼女が話しかけてきた。


「あー!昨日ごめん」


「いえ。ご迷惑かけてすみませんでした」


「練習は?」


「…暑くて、具合悪くなりそうで抜けました」


「なんでジャージ?」


[タンクトップだと胸が目立つからなんて言えない]


「また店のシャワー使う?」


[え、でもあそこはキャバクラ…]


「あ、隼人としゃべった?」


[誰のこと?]


「キャバクラにいたでしょ?」


[あ…あの人のこと?]


「暑いし行こうよ。鍵持ってるし」


彼女は嫌がらず、てくてく歩いてキャバクラへついてきた。暑いしクーラー入れとこ。


「着替えはドレスしかないけど。また返せばいいよ」


「着替えは、大丈夫です」


「そう?ジャージ脱いでいいから」


[うー、脱いでとりあえず肩にかけておこう]


「あの、お寺…住むのは」


「あ!そうそう。いいってさ」


「本当ですか?…でも私なにもできないです」


[頭も悪いし]


「いいよ。汗かいてるからタオルやるよ、ほら」


「ありがとうございます」


あ、服が汗で張り付いてる…


「着替えたらいいって」


「すみません」

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