第10話
「雪見、この公園で助けてと声がするというのは解決したのか?」
歩いて帰る時、ふいに住職に聞かれた。
「あ!」
そうだー!それ話すの忘れてた。
「それが!住職と同じような能力を持つ女の子で、助けてという気持ちが、俺にだけ伝わっていました。コントロールできていなくて、一方的に伝えることができ、特定の人物にしか伝えられないようです。あーそれで、彼女は陸上したくないらしくて、寺に住むことってできますか?」
「…なるほど、雪見がそれに気がついたのか。私の能力もようやくわかったみたいだな」
「はい」
「女の子と聞いたが、どのくらいの年齢なんだ?」
「高校生です。何歳かはわかんないし、名前も聞き忘れました」
「ふむ。部屋は空いているからいつでも住んで構わない」
「わかりました。あ!そうだ…服返しに今日来てって…あー、今から職場に向かいます」
住職を置いて走って職場へ。今日の仕事は、今朝急に行くことになった仕事。いつもそうだ。
キャバクラは営業まだしてるから、もしかして待ってたりしたら、大変だ。先輩が追い出すかも!
「隼人!」
フロアにいたので捕まえた。
「雪見…?休みだろ?」
「女の子来なかった?昨日の」
「来たから預かった。服はクリーニング出すから」
「よかった、忘れてた」
「忘れるなよ。お前、暇ならちょっとは手伝えや」
「わかった」
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