第3話

「なにすんだ!離せ!」


「暴れるお客様は、お帰りいただくことになってます。こちらへ」


慌てて雪見のところに行こうとしたけど…いつのまにそんな力がついた?客を引いて外に出て行った。


「ねー隼人。あいつの修行ってなに?金になるの?」


「いや、…よくわかりません」


毎日公園で走って筋トレしてるらしい。寺の修行なのか、雪見への罰なのか。


「隼人、さっきなんか呼ばなかった?」


普通に戻ってきた。


「お前が殴られるかと思って」


「…そう?大丈夫だけど」


「ねーあんたさぁ、金になんない修行してる暇あったら他の仕事探せば?」


「いやぁ、無理ですよ」


そりゃそうだ。執行猶予中なのだ。


「顔はいいのにもったいない」


ナンパされてる?


「借金返さないといけないので」


「あー、そうね」


借金のことになると、みんな引いていく。雪見がかわいそうだ。


「隼人、部活やったことある?」


「は?」


さっきの話聞いてたのか?関係ない話になった。


「たぶん学生が、公園で走ってたんだけど。何部が走る?」


「運動系は走るぞ」


「えー、範囲広。たぶん、その人たちの中の人が助けてって言ってる気がする…」


「いや、その話もうやめろ!」


怖い話に戻しやがった。

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