第10話 ウィスプハンターの日々
【EQ日記 8月5日 Qeynos】
くっ! またもやこれだ。
手の中に握り締めたガラス玉を地面に叩きつける。
表面に書かれているのは「ハズレ」の文字だ。
これはウィスプの出すライトストーン。光玉だ。EQでは一般的な永久ライトとして使われている。誰もが一つは持ち、新規キャラを作るとその度にもう一つ必要になる。
大光玉はレアで光が強い。小光玉はそれほどレアではないが、あくまでも代替品だ。
なにぶんEQでの暗闇は真の暗闇で、暗視能力無しのkyラクタは明かりなしだと文字通りそこで詰む。永久ライトがあれば解決するという単純な話なので新規キャラは真っ先に明かりを手に入れなくてはならない。
というか、そういう状況なら最初から明かりを持たせてキャラ作成してくれ、運営さんよお。
金もうけと趣味を兼ねてのウィスプ狩り。Qeynosと西カラナを走り回る日々なのに。どうしてどうして当たり玉がでない?
大当たりの大光石どころか、小当たりの光石さえでない。
ウィスプハンターを名乗って以来、やたらだだっぴろい平原をチキチキパシーンと音の出る武器を持って走り回っているのに、全然、当たりにぶつからないのである。
どこかのだれかのように、ウィスプを倒すたびに小当たりや大当たりがでる人物とは異なり、二十匹のウィスプことごとくハズレ。恐るべき負の確率だ。
これはもうウィスプ同盟の連中に憎まれているとしか思えない。
おのれ、おのれ、おのれえええええ。
何時の日にか、この世のすべてのウィスプを狩り尽くしてみせるうう。
背中のウィスプハンターの文字は伊達じゃあないぜ。
・・・あ、小当たりめっけ。へへへ。
「ウィスプハンター止めました」 _(^^)
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