第9話 モンスターとの会話(脳内)

【EQ日記 8月3日 Everfrost-Qeynos】


 だいたいEQの怪物というものには、強きをくじき弱きを助けるというものが少ない。考えてみれば当たり前ではあるが、あまり感心できた話でもない。


 レベル4のKINGさんを連れて、レベル12の私が峡谷を抜けると、

横をすり抜けていった怪物がKINGさんに襲いかかることが多い。


 それはだいたいこんな有り様である。


白オオカミ

「あ、へ。へへ。こんちゃ。パラディンの旦那。本日はお日柄もよろしいようで。へへ、こりゃまたどうも。ちょいと脇を通らせていただきますよ。なにあっしゃただのチンケな三下で。へへ、こりゃどうも」


 同じ怪物がKINGさんの所にかかると、こうである。


白オオカミ

「おう、われ。いま、わいの影ぁぁ踏んだやろ。ああ?

 とぼけたらあかんで。なんや、その眼つきは?

 われ、わいを誰やと思てんや。なめたらあかんぞ。ええ?

 肉でも食いちぎったろかい」


 白オオカミに絡まれていると、他の怪物も集まってくる。


北極熊

「おう。あんちゃん。なに、わしのダチに絡んどんねん。ちと事務所まで来んかい。礼儀いうもんを教えたるから」


ゴブリン

「死んだバーバリアンよりいいものはないんや。まあちょいと、ケツの穴から手ぇ突っ込んで奥歯ガタガタ言わしたろかい」


ノール・パップ

「ここはお前らの場所じゃないんだぞ! まあ、いてもええさかい。

 ちょいとショバ代でも払ってもらおうか」



 ・・・でまあ、死ぬ前はたいがいこんなセリフに代わる。


怪物

「ああ、いたたたた。まて、まて。それ以上、殴ったらあかへん。死ぬ。

 死ぬ。死んでまう。ほら、目玉が飛び出てもうたやないか。

 あかん。殴ったらあかん言うとるやないか。わてほんまに死んでまうわ。あやまる。あやまるから、お願いや。殺さんといて。

 わてが何した言うとんねん。

 これから逃げるから、追ったらあかんぞ」



 もちろん、逃がしはしない。どこまでも追いかけて、ぶち殺すのである。

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