第6話 僕だって!私だって!
『楽しくみんなで泳いでいたいだけなのに……そう思ってたら、誰かが叫んだんだ。「リーダーは食べさせない!俺も体当たりする!」』
子供達が、わぁ!と声を上げた!
『その言葉に勇気をもらった僕とみんなは、力いっぱい叫んだ。「僕も!」「私も!」「ワシもじゃ!」「アタチも!」それから全員でクジラさんやイルカさんも一緒に、シャチのヤツに体当りしたんだ!そうすると……』
「「「「「「「………………!」」」」」」」
「あうー!だぁ!」
子供達は息を詰めて聞いてくれている。赤ちゃんは可愛い声をあげる。
絵里は、もっと人数が増えた事にも、もう気付かない。
『……シャチのヤツは「いたっ!いたたた!やめてくれ!もう食べようとしたりしないから!ぐすっ……うおおおおん!」と泣いて逃げたんだ!シャチのヤツをリーダーの勇気と頑張り、僕達の気持ちで追い払う事ができたんだ!』
また、子供達から歓声が上がった。
(あと、ちょっと……もう少しで終わり!)
絵里は頑張って話を紡ぐ。
『僕はあれからもっと、身体が大きくなった。シャチやサメが来ても、みんなで追い払えるようになった。勇気があれば、力を合わせれば、おっきなヤツラにも、絶対負けないよ。今日も海は青く澄んでて、太陽がキラキラしてる。今日もみんなと、どこにいこうかなぁ』
そこで、絵里は、ペコリと頭を下げた。
「……カツ夫と海の仲間たち、おしまい」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます