腐食の世界〜僕だけ瘴気の影響を受けない理由が吐きそう〜

もりすけ

世界観

 遥か昔、その大陸に流血の時代があった。


 人々は長きに渡り、主義、思想、人種、宗教等で対立しては争いを繰り返していた。

 大地は血で濡れ、原型をとどめぬ死骸が無造作に放置された。


 大地より黒い霧のような『瘴気しょうき』が湧き出したのはその頃である。


 瘴気を吸った人間は以下の『腐食症状』に段階的に侵されていく。


ステージ1 呼吸障害

ステージ2 全身の激痛

ステージ3 末梢から始まる感覚の麻痺

ステージ4 末梢から始まる肉体の壊死

ステージ5 意識障害、又は死


 また、ステージ5の意識障害は脳や心臓等の中枢器官が腐敗した結果であるため、回復の望みはない。


 瘴気の中で死体を放置すると、肉体が瘴気に溶け、『魔物』が生成される。


 濃い瘴気の中では魔物は不死身であり、深い傷も瞬時に回復させる特性があった。


 瘴気と魔物達を避け、人々は大地に根差した結晶『クリスタル』に縋った。

 クリスタルの光には瘴気を浄化し、魔物を退ける効果があったのである。

 中でも一際大きく広範囲に光が届くものを人々は『マザークリスタル』と呼んだ。


 その地帯の人々はマザークリスタルの輝きの中で生き延びる。しかし、その中で再び主義・思想の対立が起きた。

 人々は『実力』『学術』『信仰』のそれぞれを重んじる3人の有力者の下、『実力領フリューゲル』『学術領ノスタルジア』『信仰領ヴァルハラ』の3つの領国に分かれ繁栄していった。

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