第2話:誕生日配信 & 異能紹介
——【シンタ】お久しの顔出し配信 & 異能紹介【誕生日!】 54人が視聴中――
「おつつ~、みんな今日も来てくれてありがと~」
・誕生日おめでと!!
・おめでとうー!!
・こん~!たんおめ~!
・久しぶりの顔出し!
・相変わらず顔からは想像もつかないイケボw
・異能鑑定の結果どうだった?
俺のチャンネル登録者数は200人と決して多い訳ではないが、固定ファンが毎日見に来てくれる。とてもありがたい話だ。
「たんおめありがと~。誕生日記念っていっても特に何するって決めてるわけじゃないんだけどね。異能紹介はするけどそれはまたあとで。とりあえずゲームしようか。視聴者参加型のカスタムでどう?」
・いいね!
・天才
・やった!
「おけ、じゃぁ視聴者参加カスタムでやるね。カスタムIDはこれ。」
俺はいつものヴァロリントというFPSゲームでカスタムマッチを開き、視聴者と共にプレイ。リスナーと通話するのは緊張するが、リスナーも緊張していたようで逆に緊張がほぐれた。それから2時間ほどゲームしていい時間になったのでゲームは終了。
「ふぅ~、楽しかった~。じゃぁゲームはこのくらいでいいかな。じゃぁ次はケーキ食べよう。」
そういって取り出したのはホールケーキ。もちろん一人で食べる。
・まさかのホールケーキww
・デカすぎでしょww
・食べれるの?ww
・通話で誕生日コールしたい!
・おー、それいいね!
・ディスコルド入っていい!?
「お、いいねそれ。じゃぁさっきの通話ルームに入ってきて。」
リスナーの案で通話しながら配信することに。
「何か多くない?」
『『『『『そんなことはない!!』』』』』
通話部屋に入ってきたのは10名。けど、待機部屋には100人もいる。めちゃめちゃ多い。
「まぁ、いいや。とりあえずケーキ食べていい?」
『まってください!それなら部屋暗くしてろうそく立ててやりましょう!コールは私たちでするんで!』
『そうですよ!いきなり食べるのはなんか違くないですか?』
「えっ、あっ、うん。わかった。じゃぁそうしようか。」
いつも誕生日は基本一人だったので、こうやって祝われるのは凄い変な感じ。いや凄い嬉しいんだけどね。今にも泣きそうなくらい。だけど、それを我慢して俺はいい感じに部屋を暗くして、ろうそくを刺した。
『ハッピーバースデートゥーユー!ハッピーバースデートゥーユー!ハッピーバースデービア、シンター!ハッピーバースデートゥーユー』
『おめでとうございます!』
『おめでとー!!』
・誕生日おめでとうー!!
・おめでとうシンタ!!
・おめっとさん!!!
「みんなありがとー!!この部屋あったけぇよお前ら最高か?」
『どやぁ ( ・´ー・`)』
『シンタも生まれてきてくれてありがと!』
『収益化まだ~?』
・ふっ、褒めても何もでねぇぞ。
・そうだぞ、早く収益化してくれ。
「ははは、収益化はまだかな~。お前らが宣伝してくれたら収益化も早くなるかも?」
『っしゃ!頑張って切り抜くわ!』
・なら俺らも頑張るか~
・せやな
・その手があったか!
何となしにリスナーにお願いしたら何かやる気をだしたリスナーたち。まぁ、度々いっててこれだからそこまで伸びることもないだろう。とりあえずホールケーキを切って食べる。
『美味しいですか~?』
「ん、美味しいよ~。折角通話来てくれたし質問コーナーと行こう。何か聞きたいことはある?」
『はいはい!じゃぁ、私からいいですか!?』
「はいどうぞ!えー、ミナズキさん」
『彼女はいるんですか?』
「え?いると思う?毎日配信してるのに?」
・www
・それはそうww
・草www
学校から帰ってすぐに配信。それもご飯と風呂以外の時間はだいたい配信してるのだ。彼女とかいるわけがない。土日は何もなければ朝から晩までずっとやってる。毎日それだけやってて伸びないのかと思われるのかもしれないが、これは俺がやってるゲームが悪い。
なんせ今の流行りはフルダイブ式のVRMMOだ。その中で俺がやってるのは遥か昔からあるPCゲー。そりゃぁプロゲーマーとかアイドルなら視聴者数を稼げるだろうけど、そうでないならマイナーゲームをわざわざ見に来る人は少ない。だからこそこうやってコアなファンがついてくれたというのもあるだろうが。
『じゃぁ私が立候補します!』
「待って待って待って、燃えるからやめて!」
『ミナズキがダメなら俺が!』
「いやお前は男じゃろがい!」
・草ww
・🔥シンタ🔥
・🔥シンタ🔥
案の定コメントで燃やされる。まぁ、もちろんネタなんだけどね。200年前からある配信の伝統文化ともいえる。
「えー、じゃぁ次の方どうぞ~」
『はいっ!えーっと、ヴァロリント以外のゲームはやらないんですか?ほら、今はやりのVRMMOとかあるじゃないですか』
「んー、俺も気になってるんだけどねー。ほら俺中学生だからさ。お金ないのよ。リスナーが買ってくれるならやるけど」
と、いっても後日そのお金は手に入る予定なんだけどね。ほら、初出の異能ということで報酬金を渡すって話があったじゃん?あれ1億貰えるんだよ?しかも何と非課税で。まぁ、それはこの後の異能発表でやる予定。
『ホントっすか!?いまの言葉嘘じゃないですよね!?』
・ま?
・しゃぁ!買うから住所教えてくれ!
・よしっ、今から買ってくる!
『私今から買ってきます!』
「えっ、ちょっ、待って待って待って!そんな沢山送られても困るから!」
『あっ、確かに。じゃらクラファン立ててリスナーでお金出し合いましょう!』
『いいっすね!』
・天才か?
・神
・URLはよ
「えっ、待って待って、本気で言ってる?」
『『『もちろん!!』』』
・もちろん
・当然だろぉ!?
・当たり前だよなぁ!?
「いや、お前ら息会いすぎでしょ。ありがとう」
『『『いえいえいえ』』』
・どういたしまして
・もっと感謝しろ
・俺らこそ感謝
まさかのプレゼント企画が立ち上がって少し、いやかなり驚いた。でもこうやってファンに応援してくれるのはかなり嬉しい。
「じゃぁ、良い時間だし異能の紹介しようか。通話は解散で」
そして通話を解散させ、ケーキも一旦よこにしまう。
「さて、じゃぁ異能紹介の準備するから少し待ってて」
・おっ?
・なんぞ?
・なんだなんだ?
・wktk
そういって席をカメラを一旦切る。そして異能を発動させて服を変える。とはいっても、女性ものの服を着る勇気はないので、俺が持ってる服で大きめの服を着る。ちなみに女性の身体の時の身長は165cmと結構大きい。幸い胸も尻もそこまで大きくはないので、ズボン履けないとかシャツの前閉めれないとかそういうのはない。
着替えが終わったのでカメラを付ける。
・えっ?
・誰!?
・彼女!?
・いやまて、姉という線もある。姉さんがいると話してたろう
「はい~、色々な推測があると思うけど残念ながらシンタです。」
・ファッ!?
・何をどうしたらそうなるん!?
・女装・・?私自身無くすんだけど
・いや、何か顔小さくなってね?
「えー、これが私の異能で”女体化”っていう異能です。まさかのランクEx。ちなみに初出だそうですよ?」
・おおぉぉ!?
・すご、凄い・・・よね?
・凄い・・・のか?
・ただのExだったら外れ。だけど初出なら異能組合からかなりの額のお金貰えたはず。しかも非課税。
・ま?
・やばっ
「えー、この異能を使うとですね、なんと背が10cm伸びるんです。何で!?確かに身長伸ばしたいと思ってたけどこれは!!なんか!!違う!!」
・草ww
・元が155cmだったもんねww
・大丈夫wwこれからww伸びるよww
・www
「みんな草早し過ぎじゃない?まぁ、いいけどさ。じゃぁ異能紹介はこんな感じで終わりかな」
・待って
・戻すな
・一生そのままでいて
・これから毎日その姿で配信してほしい
「酷くない!?やっぱみんな美人の方が好きなの!?」
・そりゃぁ、美女とシンタ君どっち選ぶかと言われたら・・・悩む
・確かに悩むな・・・
・んー、ギリ美女かな
・私はギリシンタ
「あっ、そこは悩むんだ。なんかこうー、嬉しいような嬉しくないような何この気持ち。」
・でもほら、その姿で配信してれば伸びるじゃん?
・そうそう、収益化までの道も近い
・顔でリスナーを釣れる
・そして収益化したら元に戻ればいい
「お前らホント仲いいな!!まぁ、この顔での配信は偶にすると思うけどさ。」
・ところでその異能って女の身体になるだけなの?他にあったりしない?
・まだ何かありそうだよね
・本当に女性になるだけだったら数ある異能の中でも特に変な気がする
・異能って魔物に対抗するための能力ってのが通説だったもんな。女体化ってどう使えっていう話よ
・まぁ、それがランクExというものさ
「んー、能力としてはこれだけっぽい。ただ身体能力が軒並み上がってるからそういう効果があるかも?それも誤差だけどね」
・鍛えたら身体能力が上がるのかも?
・変身系だと竜化とかエルフ化とか色々あるから何かあるんだろう
・そもそも変身系がレアだからなぁ。何ともいえない。
・まぁ、なんかわかったら教えて
「そだね、何かわかったらまた配信で話すと思う。じゃぁ、良い時間だから今日の配信はこれで終わり。お疲れ様でした!ばいばーい!」
・おつつー!
・お疲れー!
・またね-!
・結局最後まで女のままだったなw
「あっ、そうじゃん。能力解除してないじゃん。いま解除するねー!はい、それじゃまたねー!」
・草ww
・なんだかんだこっちの方が安心するwwお疲れ!
・あっちの声も好きだけど、この声の安心感やばい。お疲れー!
・またねー!!
・VRMMO楽しみにしてて!お疲れ!
「ふぅ~、疲れた~。風呂入って寝よ」
ケーキをしまい、着替えて風呂入って寝た。この時の俺は、まさかこの配信が大バズりすることになるとは思ってなかった。
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