第3話:姉襲来

 「健也!!!起きなさーい!!!」


 「ぐへぇっ!?」


 誕生日配信の翌朝、俺が寝てるところに秋姉がやってきた。


 「何々!?ちょっいたい!痛いって起きた!起きたから!殴るな!」


 秋姉、本名は水谷秋みずたにあき。顔つきは西洋風の色白美人。髪色は見るたびに変わってるが、今日は白に水色のグラデーションカラーというかなり派手な色をしている。眉毛まで白にしてるしカラコン入れて目も白にしてるから超目立ちそうだ。


 「ねぇ、あの動画みたよ。何あれ?」


 「あの動画って何さ」


 「だ!か!ら!あなたか異能を使った動画よ!何よあれ!私聞いてないんだけど!?」


 「ん・・・?」


 確かに昨日は異能を使った配信をしたけど、動画は別に上げてないハズ。リスナーが切り抜いてくれたのかな?


 「ほら、これよこれ!!」


 疑問に思ってる俺に秋姉がスマホを取り出して例の動画を見せてきた。その動画には俺が昨日行った配信の切り抜きが映っており、異能を切った時の映像まで綺麗に映っていた。


 「あぁ、うん。それがどうしたの?」


 「どうしたのじゃない!!何で教えてくれなかったの!?」


 「えっ、何で秋姉に言う必用あるん?」


 「はぁ!?もっ・・・もう知らない!!」


 バタン!


 えぇ・・・結局何しに来たんだ秋姉。感情バグってるって。別に家族仲いいわけじゃないし言う必用なくないか?てか何で秋姉あの動画知ってるんだ?ちょっとエゴサするか。


——【切り抜き】女体化能力発現!?【シンタ】再生数:164万――


 「ブエッヘ!?」

 

 ななな、何これ。切り抜きの再生数えぐぅ。コメントも『かわいい』『天使』『元の方の声好き』『空気が暖かすぎて浄化された』『どっちも好きやぁ』とか、好意的なのしかない。嬉しすぎる。偶に疑う奴もいるけど、まぁそれはそれ。動画配信とはそういうものだ。


 「ももももしかしてSNSのフォロワーとかチャンネル登録者数増えてたりとかしししるのかかかな?」


 切り抜きとはいえ、いままでにない伸び方に驚いた。SNSもチャンネル登録者も多分伸びてるのはわかっている。通知エグイし。


 「ふぅー。よしっ、見るか」


 SNS:フォロワー:1万

 チャンネル登録者数:2万


 「ヴぁっへぇ!?伸びすぎでは?何かDMも沢山来てるし。ちょっと見てみよ。」


 DMの7割はセクハラだったのでそれは即ブロ。男性器の写真送りつけてくんな。気持ち悪い。俺男だぞ?意味わからん。

 んで、能力の研究に協力してくれないかとかそんな感じの内容が2割。残り1割がコラボ依頼とかインタビュー的なあれ。バズりすぎて怖い。えっ、なにこれ。


 「スゥー、おっ、収益化申請出来る用になってるじゃん(現実逃避)。申請しよう。」


 とりあえず収益化申請出来る用になってたので即申請。ふぅー、ここここれからどうしよ。まじで。


 「とりあえず風呂入ろうそうしよう。」


 そして風呂を沸かしてお湯につかるー。


 「あ”あ”ぁ”-気持ちいーーー」


 ガチャ

 

 「健也~、入るわね~」

 

 「あ”い”~」


 風呂に入ってると、夏樹姉さんが入ってきた。サラサラの黒髪に整った顔。引き締まった腰に綺麗な形をした胸。スタイルいいな~。


 「ヴぇヴぇっ!?ななな夏樹姉さん!?ちょっ、いま俺入ってるんだけど!?」


 ってそうじゃないよ!?何入ってきてるの!?がっつり見ちゃったじゃん。とととととにかく壁を見よう。見てはだめ見てはだめ。忘れよう忘れよう。


 「あらあら、可愛らしい反応しちゃってぇ~。昔は一緒に入ってたからいいじゃない~。そんなに恥ずかしいなら健也君も女の子になればいいのよ~、ほら、あの異能があるじゃない?」


 「あばばばたたた確かに!?それだ!?」


 何がそれなのかはわからないけど、とととにかく異能を使って女になれば恥ずかしくない・・・って違う!?そうじゃない!?てんぱりすぎだって俺!


 「あら~、健也君もいいけど、健也ちゃんも可愛いわねぇ。髪はサラサラだし肌もツヤツヤ・・・なんかムカついて来たわね~、えいっ!!」


 「え”え”!?ちょっ!夏樹姉さん!?どこ触ってるの!?あっ、んん!?」

 

 あっ、ちょっ!そこだめ!変なとこ触らないで!夏樹姉さんも感情バグってるぅ!?何でうちの姉はこうなの!?


 「健也ちゃんが悪いのよ!こんな羨まけしからんボディしちゃって!そんな悪い子にはこうよ!」


 「んあっ!きゃっ、いっ、ん~~!!!」


 


 「あ”あ”~、づがれ”だ”ぁ”~」


 あの後、全身を夏樹姉さんの手によって全身を弄られた俺の身体は、新たな快楽に目覚めさせられた。男として大切な何かを失いかけた。危ない危ない。まだ大丈夫。

 

 「ふふふ、可愛いわよ健也」


 「えぇ、そうね。とても可愛いわ健也、ぷぷっ」


 「笑うなぁ!!」


 そして今、俺は夏樹姉さんの裸を見た罪で女体化した状態で着せ替え人形にされている。理不尽すぎるって。秋姉もノリノリじゃねぇか!


 「じゃぁ次は~これ!」

 

 「ヴぇぇ!?」


 「秋ちゃんにお風呂の件話したら私も入りたかったと言ってたのよ~。だから?ね?」


 そして夏樹姉さんが取り出したのは大事なところが隠せてない紐下着にシースルーのセーラー。えっ、まっ、えっ!?そういう趣味なんですか?


 「よしっ俺はにがぁ!?」


 「逃がす訳ないじゃない?ほら観念しなさい!」


 「逃がさないわよ~?」


 「いやぁぁぁ~~!!!」


 そして俺はこの日、童貞より先に処女を失ったのであった。



——————————————————―――――――――――――――――――

あとがき

 作者:百合の花が綺麗に咲きましたね!

 健也:TS女×姉×姉の百合とか業が深すぎる。

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