第7話 門前

 歩いていると、ポツンと建っている建物が小さく見え始めた。

「あれが研究所。見たことある?」

「見たこと…ない…ですね。多分近くを通った事はあるんですけど」

「まぁ表には無かったからね。仕方ないし、見てない事で何かあるわけじゃなしね」

 そう言ってまた無言になってしまった。

 地味に遠かった道のりを歩き終わると、門の前で止まった。女性は胸の辺りからカードを出すと、門が開いた。

 いや不味いだろ!こんなに…その……大きい胸を少しでも長く見るなんて。

 そんな事を頭で抵抗をしたが、この人は何も気に止めてないのか、笑顔でこっちを見て、手を出してきた。

「さ、入るよ。ここが当分の間、貴方の、そして私達の家だよ」

「………えっ、あーはい。これから宜しくお願いします!」

 あんな事を考えていたせいで、反応に遅れてしまった。というかこの人は視線に気づきにくい人なのかな?

「………あーでも……エッチな事はさせないですから、ね?」

「………なんの事ですか?」

 ………………………はぁ。スルーしてほしかった。

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終世 ダミー @dummy0831

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