第89話 ワンパンマンとなった最低辺探索者

「どれも五枚じゃないとセットは発動しないんだね……」


「そうみたいだな」


 凪に言われたセットを全て試した結果として、モンスターカードの種族で発動するケースしか発見できなかった。


 まだ種類が少ないので、必ず種族限定ではないと思うけど、現在確認できるのはゴブリンのみだ。


 もっとモンスターカードが集まったら違うコンボも現れるかもしれない。


「ゴブリンセット。装着中のゴブリン種族のカードのステータスが二倍になる。凄く強いね。でもちょっと惜しいかな」


 そう言いながらテーブルの上に普通に置かれたゴブリンジェネラルのカードをつんつんと突いた。


「ケントくんが装着すると強制的にアップグレードしてしまって、ステータスじゃなくなるのがもったいないよね」


「まあ、そんなに強くなっても困るというか……」


「ふふっ。ケントくんらしいね。これから毎日フロアボスに迎えるんだし、グランドリッチ五枚とかも楽しみだね~」


「グランドリッチ五枚…………」


 ふふっと笑う凪が恐ろしいことを平然と言う。


「それにしてもゴブリンカードも随分集まったね」


「ミナさん達が頑張ってくれたからね~まだ二週間とかなのに、もうこんなに集めてくれたよ~セナちゃんも魔石採取頑張ってるみたいだし~」


 凪の狙い通り、ゴブリンカードの枚数を重ねて、僕のスキルの効果を上げてくれる。


「当面の目標としては、十層と二十層を登録してフロアボスカードを狙いながら、攻略階層を上がる感じでいいのかな?」


「そう……だな。六花の魔素量は大丈夫か?」


「多分大丈夫~!」


「ならそうしていこう」


 現在、ゴブリンジェネラルのカードは僕と六花が一枚ずつ装着中で、グランドリッチは僕が一枚装着している。


 このままゴブリンジェネラルのカードを増やして、メンバー全員が装着したらステータスの底上げにもなるはずだ。


 絵里さんの魔素量上昇カードだけは装着してもらわないと困るので、次は凪と由衣用のゴブリンジェネラルのカード二枚だ。


「では明日から頑張ろう~!」


「「「「お~!」」」」


---------------------

 名前:田中栞人

 才能:カードコレクター


 加護:聖域(最終全ステータス+130%)


 レベル:30

 魔素 :310+300=610

 力  :120+150=270

 器用 :120+ 50=170

 素早さ:120+160=280

 魔力 :  0+  0=  0


 武器 :黒龍漆聖刀(攻撃力+3500)

 防具 :黒龍聖服(防御力+2000)

 装飾品:黒龍盾(ノックバック、魔法分解)


 カード:グランドリッチ+

 カード:ゴブリンハッカー+

 カード:ゴブリンハッカー+

 カード:ゴブリンジェネラル+

 カード:ラッキーラビット+


 アクティブスキル:

 『カードスラッシュ+』『採取ノ極』

 『カードバースト+』


 パッシブスキル:

 『カード』『アップグレード』

 『カードリンク』『カード・レプリカ』

 『コレクター』『カードコンボ』


 パーティーメンバー:

 『田中六花』『綾瀬凪』

 『栗原花音』『志賀絵里』


 ドロップ率:

 ノーマルカード:2.7%(MAX4.0%)

 レアカード:0.5%(MAX3.0%)


 カードホルダー枚数:570枚

---------------------




 ◆




 次の日から狩りのコースが変わった。


 屋敷からクラウンダンジョンに向かわなくても、六花のワープポータルのおかげで、真っすぐ十層に向かう。


 もし他のパーティーが戦っていたり、倒した場合は次に進む。


 残っていたらゴブリンジェネラルを僕の『カードバースト+』で倒す。


 それと『カードスラッシュ』も『カードバースト』も、武器が強くなって気にならなかったけど、カードホルダーの枚数で攻撃力が上昇する。


 カードスラッシュの場合、100枚で最大値。カードバーストの場合、500枚で最大値だ。


 増える攻撃力は黒龍漆聖刀には遠く及ばないけど、カードスラッシュが攻撃力1,000、カードバーストが攻撃力2,000となった。


 武器がなければ、十分過ぎる程強いが、今では武器の性能も相まって十分すぎる程強い。


 それに+になったおかげで広範囲なだけでなく――――多段ヒット・・・・・しているので、その火力の上昇率は数値だけでは測れないものがある。


 つまり、何が言いたいかというと、ゴブリンジェネラルもグランドリッチも一撃…………というか、クラウンダンジョンで僕が行けるマップならどこでも一撃で倒せるのだ。


 その上に追加効果でモンスターカードドロップ率+3%も相まって、どんどんモンスターカードが集まり始めた。


 中でも気に入っているカードは二十八層でドロップする『ゴブリンハッカーのカード』で、素早さ+3なので、これを全てミナさん達に装着させている。


 素早さ+15になっただけで楽になるからね。


 ちなみに、僕が装着すると素早さ+30になるので、余った二枚のところに装着している。




 僕達はようやく三十層に足を踏み入れた。


 ――――。


 ――――。


「わ~い! やっぱりにぃの攻撃でワンパンだね~!」


 嬉しそうに笑みを浮かべた六花が、僕のスキルで散っていた三十層のフロアボス、ダークスパイダーキングを眺めて声を上げた。


 当然――――初撃破なので、モンスターカードが落ちたのは言うまでもない。


 ダークスパイダーキングのカード。効果は素早さ+150。


 何が言いたいかというと――――これ一枚の値段は、二桁億を超えて、なんと百億円なのだ。


 もう感覚が麻痺してきたよ…………。






――【お詫び】――


 いつもダン天使を読んで頂きありがとうございます!

 今話を読んで気付かれた方も多いと思いますが…………書き始めた当初、舐めていた設定がとんでもないことに気付いてしまいましたあああああああ!

 というのも、随分前なので分かりにくいのですが、レベル15で獲得する『カードリンク』というスキルは、カードホルダーの中にあるカードが全て適応されるというものでしたが…………このままだとあまりにも膨大なデータになって、作家が計算できないことに気付いてしまいました……そこで急遽設定を変えさせて頂きたかったんですが、それも間に合いませんでした……(ぐはっ……)


 なので、仕方がないのですが――――いい案が浮かぶまで なかったもの・・・・・・ として読んでくださいいいいい、本当にすいませんでしたあああああ!


 最近作業が忙しくて、ダン天使にあまり設定を盛れず、こういう流れになってしまい本当にすいませんでした。


 週一更新のペースが続いておりますが、今しばらくこのまま楽しんで頂けると嬉しいです。

 これからもダン天使をよろしくお願いします!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る