第35話 臨時パーティー
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【2023/01/09メンテナンスのお知らせ】
スキルやステータスの表記方法が変更になります。
詳しくは『――――』から『----』に変更です。
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「初めまして。貴方達もこれからゴブリンジェネラルに挑むのかしら?」
ゴブリンジェネラルと戦ったパーティーから袋を受け取った赤い髪の魔法使いさんは、次の階層に向かうのではなく、僕達の下にやってきた。
「そうです」
「なら私を雇わない? さっきも見たと思うけど、広範囲攻撃魔法で援護できるわよ」
こ、これは! まさか自分セールス!
その時、花音が一歩前に出た。
「必要ありません。私達だけで十分です」
「えっ!? たった四人で? ゴブリンジェネラルってゴブリンを百体も連れて現れるのよ?」
「もちろん知っています。それに――――貴方もそれを知っていて声を掛けているのも知っていますよ」
えっ!?
赤い髪の彼女は少し不敵な笑みを浮かべた。
「一番間抜けそうな人に見抜かれたのは意外だったわ」
「花音は間抜けじゃありません!」
「そうね。
「むう、その権限は私にはありませんから、栞人さんに任せます」
そして、みんなの視線が僕に集まった。
「え、えっと、個人的には参加してくれればゴブリンジェネラルが楽になるならお願いしたいけど、報酬がなくてもいいんですか?」
「ええ。問題ないわ。貴方達、アルカディア配属でしょう? 銀髪の人を見かけた事があったの。水髪の人もね」
アルカディアは基本的にソロで困っている人が多く所属していると聞いている。
全員がアルカディアを利用する訳じゃないらしいが、それでも要らぬ問題が起きるくらいならアルカディアを利用する人も多い。
彼女はここで殲滅を担う仕事を結べるくらい強いし、納得いく部分は多い。
「今回は本当に無償で構わないわ。リーダーが男なのは少し気になるけど、女も多いし、変な目で見られることもなさそうだから、貴方達と仲良くしておきたいの。それが本当の理由よ」
悪気があって近づいた訳ではなさそうだ。
チラッと見つめた妹は小さく頷いてくれた。
やっぱり最後に頼れるのは妹の
「分かりました。よろしくお願いします。俺は――――」
「あ、名前はいいわ。君、初心者くん?」
「えっ!? は、はい……」
「凄いわね。初心者くんに二人が仲間になるなんて……えっとね。こういう臨時パーティーでは名を名乗らないのがマナーなのよ」
「そうだったんですね。分かりました。よろしくお願いいます」
ステータス画面を出して、臨時パーティー申請を出す。
向こうで受領したようで、見えないステータス画面を操作すると、臨時メンバーが承諾しましたという表示がされ、『臨時メンバー:一人』と表記される。
「さて、次のゴブリンジェネラルが出現するまで一時間くらいあるから、少し休んでていいかしら」
「分かりました。みんなも休んでて。僕は魔石でも採取してくるよ」
「「「行ってらっしゃい~!」」」
みんな……満面の笑顔で手を振るなよ……。魔石のこととなるとすぐこうなる。
僕がパーティーメンバーとして一番活躍できる部分だし、今では魔石採取というよりは魔物を通り抜けるだけだから大変でも何でもない。
倒れていたゴブリン百体とゴブリンジェネラルの魔石を採取して戻った。
「あれ? 魔石採取はしないの? 目ぼしいドロップ品もなかったでしょう」
「ですね。それより、凪。一つ聞きたいんだけど、フロアボスの魔石って普通の魔石と違うのか?」
というのも、採取した魔石が普通の魔石の表記と違っていた。
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『魔石倉庫』
Sランク魔石×0
Aランク魔石×0
Bランク魔石×0
Cランク魔石×0
Dランク魔石×0
Eランク魔石×0
Fランク魔石×176
廃棄魔石×0
ゴブリンジェネラル魔石×1
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となっている。
てっきり、上位ランクの魔石かと思ったら、フロアボスの名前の魔石と表記されているのだ。
「フロアボスの魔石は特別な魔石で、通常の使い方はできない代わりに素材になるの。通常の魔石が燃料になるのは知っているよね? それって魔道具を動かすための電池のような役割を持つんだけど、フロアボスの魔石はそれができない代わりに、装備品制作で使えるよ。フロアボスの魔石は高額で取引されるし、需要も多かったりするよ」
「でも彼らはどうして置いて行ったんだろう? だってここなら採取して持ってた方がいいんじゃない?」
「…………栞人くん? 一ついい?」
表情が強張る凪が右手で人差し指を立てて近づいて来た。
「栞人くんが言っているのは、水が必要だから素手で川から水をすくって持って帰ろうよと言っているようなもんだよ?」
「「そうだ! そうだ!」」
六花と花音も同調して右拳を空高く上げる。
「フロアボスの魔石ってね。ものすごく大きいの。だからこそ、
「ひい!? あ、ありがとう……う、うん。分かりました…………」
褒められながら怒られるという不思議な目に遭った。
赤髪の魔法使いさんはずっと不思議そうに僕達を見つめていた。
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