(三)-4

 教師に怒られても、同級生に馬鹿にされても、テストで0点とっても平気な彼だが、彼には彼なりのしたいことや世界観があるのだ。それは確かに普通の一般人の普通という範囲からは大きく逸脱しているかもしれない。でも、他の人と同じように自分の世界があり、自分のやりたいことを持っている人間なのだ。その意味で、彼は他の男子生徒とも、そう大きくは違っていないと言っても良いのかもしれない。

 私は「そっか、それは残念だったね」とだけ返した。そしてしばらくその場に留まり、スケッチブックに彼の姿を描いた。


(続く)

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