(四)

 翌週の理科の授業は教室での講義だった。そしてさらに次の週の月曜日、再び理科室での実験の授業となった。

 理科係の私は前の体育の授業からすぐに戻って着替えて理科準備室へ入ってきた。

 ドアを開ける音で私に気づいた彼は、キャビネットの資料をあさりながら、「授業の準備はもう済んだよ」と私に言った。

 それなので、私は「ありがとう」と言い残し、準備室から出ようとした。

 そこで彼は話を続けた。こんなことは初めてだった。彼から話しかけてきてくれたこともそうだし、そんなに多弁な姿を私に見せてくれるのも。


(続く)

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