(二)-14
私が振り向くと、彼は制服のポケットから何かをつかみ取った。小さなものがたくさん入っていたようで、いくつかがポロッと床に落ちた。
「これをやるよ」
そう言って彼は拳を私の方に突き出して近づいてきた。
私は緊張した。何、何なの? 何をくれるというの? ヤバイ、なにかすごくヤバイ物のような気がする。もしかしてオーパーツの破片とか? たくさんの虫とか?
走って今すぐこの部屋から隣の理科室へ行きたいという衝動を何とかこらえつつ、私は固唾を飲んだ。固いツバと書くだけあって、確かに飲み込もうとしたツバは固い気がした。
(続く)
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