この世界は異種族でいっぱいです

クロスディアⅡ

第1話 プロローグ

第1話


「私は貴方を愛している。」


────ああ、知ってる。


「だから、私は貴方を失いたくない。」


────だろうな。


「だからこそ、この世界を、運命を、許す事は出来ない。」


────それで、どうするつもりだ?


「決まっています。」


────聞くのは嫌だが、一応聞かなきゃいけない義務がある。


────どうするつもりだ?


「愚問ですね、いつも通りに過ごすだけですよ。」


────いつも通り、か。


────最悪じゃねぇか。


「そうですか?少なくとも、最愛の儀を私は行うだけですよ?」


────一生をか?


「一生をです。死んでもします。それが私が出来る唯一であり、私の愛の示し方です。」


────そうか。


「なら、答えは決まった。俺はお前を止める事にする。」

「ええ、貴方ならそうするでしょう。そうすると思っていました。確信していました。既に知っている答えです。」

「流石だな………」

「ええ、そうでしょう?」


────もう、答えは要らない。


────もう、後戻りも出来ない。


────もう、終わらない。


「ごめんな、□□。」

「ありがとうございます、私の知らない□□□□□。」


後は頼んだぞ、□□………


☆☆☆


「はっ!?」


何だ、この夢は………


「────今何時だ?」


げっ、まだ5時かよ………


変な夢のせいで、早過ぎる起床になっちまったじゃねぇか………


「目、覚めちまったな………」


風呂に入るのも面倒だな………


少し、コンビニにでも行ってみるか?


散歩するついでに行ってみたら、案外良いかもしれん。


それなら、早速………


『ん?何処か行くのか、飛翔つばさ?』


頭の中に、声が響いてくる。


この感じ、未だに慣れねぇなぁ………


「ちょっと散歩ついでにコンビニにな。」

『なら、私も着いていく。探索のついでにもなるだろう。』

「なるか?」

『なるよ。』


傍から見れば、俺は独り言を呟いている様にしか見えないのだろう。


何故なら、今脳内に話し掛けてきている奴の正体は………


『さぁ、行こう。この宇宙が滅びる前の地球の、特に日本のスイーツは宇宙でも評判だったのだ。』

「スイーツ好きは万国………万星共通なんだな、宇宙人。」

『私はセピア、ライト星人のセピアだ。いい加減、覚えろ飛翔。』

「へいへい、前向きに検討しとくよ。」

『ああ、検討しろ。いや、確定しろ。』


ある日、俺の元へと降り立った光………


────はるか、宇宙の海を渡り、俺と融合した宇宙人なのだから。


続く

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