忌まわしき記憶
類稀なる才能を宿した麒麟児
数十年に1人の偉才と言ってすら過言ではない境地であった
当然ながら教師陣は歓喜し彼の輝かしい前途を嘱望した
―――彼が本性を現すまでは
潤沢な才気を持ちながら、ディアスは遅刻・校則違反の常習犯であり
幾度となく教師の顔を青褪めさす様な悪戯も精力的に行った
というより半ば愉快犯としてのプライドすら持って
それらの無邪気な悪事を敢行している節すらあった
こうして未来を嘱望された優等生は、瞬く間に類稀なる才気を誇る
《不世出の劣等生》の烙印を押された
良くも悪くも学院内の人々にとって、ディアスは目の離せない存在であり
好奇、奇異、侮蔑、嫉妬、そして時には羨望の眼差しすら注がれる
極めて特異かつ華のある存在であった
そしてそれから約2年後
忌まわしきあの日がやってきた
なんてことはない
ディアスにとっては日ごろの悪戯のちょっとした延長に過ぎないほんの思い付きだったのだろう
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