忌まわしき記憶
入学時は赤の他人だった僕たちだが
同じクラスとなり互いにウマが合ったために入学後のオリエンテーリングで
すぐに打ち解け親密な仲となった
しかし、ディアスは僕の想像を超えた実に刺激的かつ魅力的な男だったのだ
最初の授業の終わりまでに最初歩魔法をなんとか行使することに皆が躍起になっている中で
僕の隣でディアスは鼻唄交じりに更なる上位魔法を行使してみせた
彼の才気は同期生の中でも明らかに抜きんでていたのだ
魔導書を読ませれば誰よりも早く内容を本質的に理解し、それを行使した
そればかりか如何に早く行使できるかを考え詠唱を短縮して捻出してみせたのだ
何度か暴発はしたが…そう、僕の隣で
高笑いしながら悪い悪いという彼に悪態をつきながらも
いたずら小僧のように笑う彼に僕は惹かれていった
そんな僕にも得意な分野があった
武器を用いての体術だ
僕の実家は鍛冶屋であり物心ついたときから色々な武具と共に成長したからね
今日こそ彼に一泡吹かせてやるんだと初めての模擬実践訓練へと足を向かせた
同期生の中でも僕の相手になる者は一人もいなかった
もちろん、ディアスを除いて…
二度三度手合わせをしたが彼の奇抜なトリッキーな動きについていけなかった
しかたなく特例措置的に、ディアスはそれ以後担当教員と手合わせする事になった
さすがの彼も教員には敵わなかった
だが、やがてその戦績が惨敗から常勝と変化するのに1年とかからなかった
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます