第18話 薬を塗って

 体を清潔にした後、レインは自分のベッドに腰かけた。

「じゃあ、お願いしようかな。」

部屋の椅子に腰かけて待っていたロックの方をちらっと見て、パジャマの前ボタンを外しに掛かった。

 ロックはギクシャクした足取りでレインに近づく。薬を手に持って。レインがパジャマの前を開け、両肩も出す。

「い・・・(色っぽい)。」

ロックは思わず心の中でそう言った。レインの胸にはミミズ腫れがいくつも出来ていた。幸い傷は浅いが、手当をしておかないと悪化しかねない。ロックはその事に集中して、つまり傷の具合の事で頭をいっぱいにして、薬を指に取り、キズに塗っていった。

 キズは突起の上も縦断しており、避けては通れない。ロックが塗り薬を塗りながら指で突起を撫でる。

「はあっ。」

レインが思わず吐息を漏らす。

「あ、痛いですか?」

愚直にもロックがそう言って手を引っ込める。レインは何も言わずに、ロックに抱きついた。

「えっ?レインさん?」

「ロッキー、好きだよ。」

レインがロックの耳元でそうささやいた。

「え!?レインさん?嘘でしょ?」

ロックの口から出たのは、そんな無粋な言葉。

「嘘なわけないだろ。ロッキーは?僕の事、どう思ってるの?」

ロックの首に両腕を掛け、レインがロックの目を覗き込む。

「レインさん・・・す、好き、です。」

言って顔がカーッと赤くなるロック。それを見てレインはニッコリと微笑んだ。

「良かった。じゃあ、もっと塗って。」

そう言うと、レインはパジャマの上を脱ぎ捨てた。

「はい。」

ロックはまだ赤い顔をしたまま、薬を指に取り、薬の缶は机の上に置き、左手でレインの背中を押さえながら、右手の指で薬を塗った。

「あっ・・・。」

また、レインが吐息を漏らす。薬を塗り終わったロックは、両手でレインの背中を支えた。レインはもう一度両腕をロックの首に絡める。そして、二人は唇を寄せ合った。

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