第8話素直な詩
随分とたくさんの笑顔を眺めてきた
長き旅路のうえに笑顔は どこにでも転がっていた
その一つ一つの意味を思ってみる度に
どれだけ思いが生まれ 枯れゆくのか
分からずにいる自分を疑い続けた
触れた笑顔を思うと それらはたやすくなかった
笑顔を造る事は優しかった
笑顔で話している 自分はあまり好きではなかった
笑う度に 自分を偽っているようで
失くしていくものの多くを いつの間にか理解していた
街中で見かけた誰かの自然な微笑み
憧れつつも その影を追う 自分がいる
長き旅路のうえに本物は どれだけ転がっていたろう?
その一つ一つを計りにかけ 本物を探してみるけれど
対象にすべき私の重りは あまりにも正しくない
そんな時 誰かの素直な詩が 私の感性に触れ
優しい笑顔を少しだけ教えてくれた
流れ去る時に少しだけ 微笑んでみた
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます