第6話彼or彼女


物の価値を考えると 自然と笑みがでる


毎朝手にする この安っぽいボールペン


どれだけの商品価値があるだろう?


道端に置いてみたとしても


恐らく多くの人が気づかない


気づいたとしても このボールペンを拾う人は少ないだろう


心の伝わりやすい 私との相性が良い この物体


様々なイメージを浮かばせ 私に問いかけてくる


時々一人歩きしてしまう 生命を持つボールペン


私が命を吹き込んだのか 彼or彼女が命を吹き込んだのか


それは分からない


商品の価値は常に上下するが


私が彼or彼女に対する思いは変わらない


何にもイメージがわかない時が稀にある


そんな時はボールペンが寝ているのか 私が寝ているのか


夢の中でも描く事は可能だけれど


お互い何かが足りない時かもしれない


彼or彼女も理解していて 私も理解しているつもりでいる


私が書くのではなく


彼or彼女が書かせてくれているのだから


これはもう物ではない 生きているのだから


そんな彼or彼女と これからどれだけ出会えるだろう


私がどれだけ気づく事ができるだろうか?

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