第5話フィルター


遠くに見える光輝く雲を眺めているようで


その間に佇む汚れた窓を思っている


別に構わないのだけれど


別に構わないのだけれど


人を見ている時も 私はこうあるのかもしれない


造りたくて造った理由ではないのだけれど


育もうとして育んだ理由ではないのだけれど


無造作に造られたこの窓は


なかなかどうして厚く どうしようもない


汚れを拭き取ってしまえば良いのだけれど


それはあまり正しくない そう思い感じる


瞳を閉ざして


自然の唄を 非自然の唄を聴いてみる


そこにはフィルターもなにもなく


唯純粋に感じる事ができるような気がする


しかし それは思い上がりというものか


私は少しの汚れを感じてならない

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