第12話
「で、本題は何だ?」
2人居酒屋でたわいもない話をしていたところ、夏紀は唐突に切り出した。本当容赦ないのは学生時代と変わらない。
「……」
「まあ、俺を呼び出すってことは杏子のことで悩みでもあるんだろ」
なんて説明すればいいのかわからず沈黙していると、夏紀がその空気を打ち破った。しかも図星だ。僕ってそんなにわかりやすいのかな。
「どうして、わかったの?」
声が震えないように気をつけながら、尋ねる。よかった、杏子に会う前に相談していて。杏子にこんなふうに心を見透かされていたら、僕は消えてしまいたい。杏子にだけは、嫌われたくないんだ。カッコ悪いところなんて、見せたくない。まあ、この間の風邪でやらかしたけど。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます