すべての女性に知っていただきたい、男という生き物がバカでスケベなふたつの理由

@misorasido

第1話



 まず、男というものは、世の女性が考えている少なくとも10倍はスケベです。20倍、30倍かもしれません。


もちろんこんな数字は言葉遊びですが、女性方の想像をはるかに超えてスケベであることは間違いありません。


ではなぜそんなにスケベなのか、そのふたつの理由について語っていきましょう。




 ひとつめの理由は、体の構造です。


男性特有の器官である睾丸、節操ない言い方ですがキンタマは、大変な働き者で、毎日億単位の精子を作りつづけます。


ほとんど、作って作って作りまくると言っていいでしょう。その結果、男の中では精子や欲求不満が『たまって』いきます。出したい、スッキリしたい、エロい事がしたい! これらで頭がいっぱいになります。そうして、男は理性なきお猿さんと化すのです。



 このムラムラは、性欲を通り越して性衝動とでもいうべきもので、ひとたび高まると、容易く理性を吹っ飛ばしてしまいます。


これがどれくらい理性を蝕むかというと、たとえば刑務所や軍隊で、あまりに長期にわたって女っ気のない生活を強いられた結果、男はたまりにたまりにたまった挙句、理性的な思考ができなくなります。


そして、隣のやつを見て、「もうこいつのケツでいいか……」というところまで行ってしまうのです。恐ろしすぎる……。



 女にだって性欲はある、モテたいという願望だってある、それは当然のことです。


しかし、何でもいいからエロい事をしないとまともな思考ができない、エロい事しか考えられないというところまではそうそういかないでしょう。


男はいきます。わりと日常的に。



 世の男、とくに若い男は毎日のように自家発電をする、と言うと世の女性は驚くようですが、仕方ない事なのです。キンタマは休んでくれないのですから。


そうやって、女性におかしなまねをせず、自家発電ですます男はむしろ、無害で善良な存在であるとすらいえるでしょう。


もっとも、そういう男の有りようが全肯定されるわけではない、という事実がふたつめの理由につながるわけですが……。




 ふたつめの理由は、生物としての有りようです。


要するに、バカでスケベな男が、損も得も恥も外聞もなく女のお尻を追いかける。そうやって人類は子孫を残してきたし、残していくのです。


ゆえに男がスケベであることは自然であり、必然であり、女をおっかける姿は天にあたえられた神聖な任務ですらあるのです。


もちろん、女性を不快にしない範囲でではありますが。



 とはいえ、世の女性にもいくばしかの寛容さを期待したくはあります。


恋の季節、オスの鳥が恋の歌を歌ったり、求愛のダンスを踊ったり。孔雀のようにド派手な羽を広げたり、木の枝とかでつくった立派な巣にメスをつれてきて、「僕、こんなにがんばったよ。立派な巣を作ったよ。だから、僕とつがいになって、僕と子供をつくって!」というアピールを、いやらしいとか汚らしいという人はいないでしょう。


男のスケベ心というのは、本質的にこれと同じものなのです。


もっとも、人間は365日フルに発情期という、まちがいなく世界一スケベな生き物なので、恋の季節などという風情あるものは無縁なわけですが……。




 ついでにいうと、先進国では、晩婚化・少子化という現象がおきがちなようですが、これはつまり、教育が行き渡り娯楽が多様化した結果、男たちは「ひょっとして、苦労して女をおっかけなくても楽しい人生は送れるんじゃね?」と気づいてしまったがゆえの、当然の顛末といえます。


言い方を変えれば、バカでスケベな男が、ほんの少しでもお利口さんに近づいてしまうと、もう無理に女を追っかけようとはしなくなった、ということですね。


男の人生における苦労の、少なくとも7割はスケベ心から生まれます。人によっては、軽く8割、9割を越えるでしょう。


女にモテたい! エロいことがしたい! その本能に振り回されるままに、男は汗をかき、恥をかき、涙を流すのです。



 はっきりいって、性欲などというものがなければ男はどれだけ楽に生きられることでしょうか。


モテようと無駄な労力を使うことも、振られて泣くことも、男同士でいがみあうこともなく、たぶんウマの合う男友達と楽しくバカやってすごせるでしょう。


しかしそれでは人類が滅びてしまうので、そんなヌルい生き方は男には許されていないのです。



 と、ここまで読んでくださった女性方は思うでしょう。自分の周囲の男たちはみなスケベなのか? と。


その通りです。いやらしさなど感じない、スケベ心など一片ももたなそうな非の打ち所のない紳士も、内心、とはいいません。脳みその一部では、「あーチチ揉みてー、ケツさわりてー」と考えているものです。


なぜなら、男というのはそういう生き物だから。



 つまり、真の紳士というものはスケベでない男ではなく、内なるスケベ心を理性によって抑え、女性を不快にしない男ということなのですね。


心の内で何を思っているかくらいは大目にみていただきたい、というのが、すべての男の偽らざる本心といえるでしょう。

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