おまけ


 なんとなく書きたいことをここにまとめます。



【メアリーとメリー、薫と美帆】

〇メアリーが二重人格になってから、薫と美帆はメリーを腫物扱いしてきた。しかし健気な姿を横で見続けては本当に友達だという気持ちを持つようになっていた。しかしメアリーにとっては依然としてメリーは厄介者であり、仲良くすることに多少の後ろめたさを感じていた。キーホルダーをメリーに渡そうとするがメアリーにばれては関係が壊れると思い中止。メリーは自分のことを二重人格だと分かっていない。それをばれないようにと先生に言われていることも薫と美帆が一歩踏み出す勇気を持てなかった原因の一つ。


〇メアリーは時々『メリーの方が元気がいい』『愛嬌がいい』などの噂を耳にしていた。だからまるで自分の居場所が取られるような恐怖に駆られていた。一刻も早くメリーを消したい、そんな焦りが怒りなどの感情にかわって表れていた。一方薫と美帆にとってメリーという存在は友達であった。たとえ人格が入れ替わっても新しく友達に出会った感覚であり、いってしまえばまるで『二人』いるような感覚だったのだ。しかしメアリーにとって当たり前だが自分は『一人』であり、その感覚の差がひずみになっていた。記憶が飛ぶ感覚も共有できずにメアリーの焦りは加速する。直哉との甘い時間にほだされ、その焦りを見て見ぬふりをしていたメアリーはその後に後悔する。そのとき出来ていたひずみが浮き彫りになり、メアリーは薫と美帆と一緒にいてはいけないと思い込んでしまう。



【メアリーの母について】

〇メアリーが生まれるころには母は父と分かれていた。正確には父が二人を見捨てた。メアリーが生まれてから母はその育児に時間を奪われながらも仕事をこなす。自分の後悔と憎しみからメアリーはちゃんとした大人になる様に言い聞かせる。メアリーはその言葉を胸に刻み母のいいつけを守る。仕事に追われメアリーとの会話が少ない中、メアリーは褒めてもらうために呪いとなったその言葉のために奮闘する。しかし母は余裕のなさからヒステリックな性格がでてしまい、メアリーに当たるようになってしまう。でもメアリーは母のその行為が悪いとは思わなかった。欲する愛情とすトレス、そして中学校になってテストの順位が付けられるプレッシャーが加わり、それらから逃げるようにメリーは生まれる。


〇精神が限界になりメアリーは自分をカッターで刺した。その事件以降、母に対する世間の目は冷たかった。学校側も虐待を考え、保護者からも疑われる。母は自分の行いを思い返し反省し、メアリーにきつく当たるときがあることを後悔する。自分のせいだと思い、もっとメアリーに愛情を伝えられるように努力した。仕事を何とか早く終わらせるように、時間帯をずらせるように、娘と会う時間を増やせるように。そんな日々の中でも世間の目は冷たかった。母はメアリーを信じるつもりだった。しかし常に周りから監視されているような不安感と、何より自分の前ではメリーが出てこない不可解なことに疑わざるを得なかった。まるで自分だけが知らない得体のしれないものがあるような、まるでみんなして自分を騙しているような。時間のない生活に考える余裕もなく、少しずつ精神をすり減らしていく。そんな中だった、自分の前にメリーが現れたのは。我慢し続けていた気持ちがヒステリックな性格とともに周りが見えなくなり、母はメリーを問い詰める。母にとっては苦しむ娘のための怒りであったが、次第に自分のストレスも混ざり、そしてそのメリーが自分の娘だということも忘れて虐待するのであった。


〇メアリーとメリー。どちらか定かでないが、虐待され無意識に体が抵抗しようと動いていた。玄関先にキッチン、そこには包丁が。高ぶるメアリーの気持ちに呼応したかのようにいつの間にか包丁を手にもち、そして母と知らずに突き刺した。もしかしたらメリーがこんな虐待をする母の元では幸せになれないと意図した結果かもしれない。自分のせいで不幸になるメアリーは幸せになって欲しいと願ったかもしれない。事の真相はいざ知らず、メアリーは母を殺害してしまった。そのショックから精神が衰弱してしまう。心の支えを自分で殺してしまったのだ。無理もない。少年法で守られているとはいえ、彼女の未来は明るいものではないだろう。



【あったかもしれない未来】

〇もし薫と美帆がメアリーとメリーとどちらとも仲良く遊びたいと伝えていたら。それはきっとメアリーとメリーのお互いでまるで全然前世のようにお互いにノートで状況を伝えてはドタバタでも楽しい日常を遅れたに違いない。なにかが違えば遊戯王の主人公のように魂の相棒になれたかもしれない。記憶が飛んで成績が落ちる件に関してはどうしようもないかもしれないが、そういう未来をメアリーとメリーが歩むと決めたのであれば周りも認め、サポートしただろう。メリーを消すためにという口実があったゆえに悲劇を生んだのだ。


〇薫と美帆は最後までメリーを邪険に扱う予定だった。最後までメリーが消えて欲しいと願うキャラのはずだった。直哉事件以来、自分の存在意義を問うメリーに対して薫と美帆は「もういい加減満足しただろ?花火も見て遊園地もいったしさ。もうこれ以上メアリーを苦しませないでよ」と友を想う気持ちから発せられる鬱な言葉をメリーに聞かせるはずだった。だから最後の薫と美帆が両方と仲良くしようと誓う場面は存在しないはずであった。メリー用のプレゼントなどなかった。しかし予想以上に薫と美帆がいい奴過ぎたのだ。これじゃあ鬱語れない。そう思ったが、手遅れになってしまった後に薫たちが希望の明日を願うという最低な場面を作れてしまった。あくまで『しまった』である。



【作者的に評価】


(コメディ) 1/10点

(鬱要素)  6/10点

(読みやすさ)4/10点

(テンポ)  2/10点

(面白さ)  2/10点


〇『時間を返してメリーちゃん!』は後半の怒涛の鬱展開を見せ場にするつもりで書きました。そのために前半をメリーが「時間を返してよ神様!」というダミーのタイトル回収を置き、ドタバタコメディを書いて幸せからの急降下を書くつもりでした。しかしながら後半を意識しすぎて前半のテンポが悪く、コメディですらなく、幸せと呼ぶにも程遠い感じになってしまいました。後半を書きたくておろそかになっているのが自分でもわかります。


 かといって後半も魅力に感じられないのは、説明のような文章、または第三者目線が多いからでしょう。主人公の鬱な気持ちにリンクさせたいならもっと主人公の目線で文章を入れないといけませんでした。例えるなら『都会のトム&ソーヤ』のような、『涼宮ハルヒシリーズ』のような、主人公の目線での文章が。


 書き直すのなら、


〇前半のコメディ要素を強くしてギャク漫画のように面白くする。

〇なるべく第一人称で文章を形成し、感情移入しやすくする。

〇キャラをもっと激しくして明確に分かりやすくする。喋り方や仕草、特徴をつかみやすいようにする。


これらを気を付けて書こうと思います。なによりそれを補えるほどの文章能力が足りないので成長したら戻ってこようと思います。目玉の後半にいくにも前半がつまらなくなっているのでそこも課題です。




最後になりますが『時間を返してメリーちゃん!』を読んでくださりありがとうございました。

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時間を返してメリーちゃん! 物書きの隠れ家 @tiisana-eiyu

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