破天荒な天才3
◇ ◇ ◇
そいつの狂った才能は、まさに秀才とも思えるようなものだった。
6才の頃に作った外敵探索装置は秀逸で、敵意あるものは自然に排除するらしい。
と言ってもあいつは大人しく人畜無害を装っているけれど。
8才の頃に作った護衛ロボットは巧妙で、親戚の叔父さんだなんて言われても違和感ないほどに人に似せて作られていた。
と言ってもあいつは俺にぴたりとくっつくだけで、あまり才能を見せびらかしたりしなかったけれど。
一度あいつに聞いてみたんだ。
なんで必ず平均点を取るんだって。お前なら満点だって容易いだろうって。
そうしたらあいつはぴたりと引っ付いたまま、『どれだけ才があったとしても、大切なものが守れないなら意味ないよ』なんてしんみり言うもののだから、俺はなんだか切なくなって、そんなこと言うなよ……なんて引っ付き虫のあいつに言ったっけ。
これでいいのかな、なんて思いながらあいつと過ごして、これでいいんだよ。なんてあいつは俺の病気とやらも治していった。
あいつは
連れ去られるあいつに、俺は血反吐を吐きながら最期の言葉を投げ掛ける。
「お前は自由なんだから。お前の才を閉じ込めなくていい」
そう呟くと俺は事切れた。
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