第2話 クラスの美少女


 4時間目の授業が終わり昼休みになった。

 今日は金曜日だから学食に行く日だ。

 この曜日だけ好きなメニューがあるから行く様になった。


「夏目くん、あの…私もいいかな?前みたいに……。」


「いいよ?」


「やったっ」


 嬉しそうに破顔させる秋山さん。

 赤茶の綺麗なミディアムボブが似合うクラスで人気の美少女。

 お淑やかさと明るさを兼ね備えた女の子だ。



 普段一緒に弁当を食べるわけじゃないけど、金曜日だけ一緒に学食で食べる仲になった。








 そんな彼女に一昨日俺は告白をされた。


 去年と今年同じクラスで、今年から喋る様になって仲良くなったけど、告白されるとは思っても見なかった。


 明るくて愛嬌のある彼女と話すのは楽しいし好きな時間だ。

 だけどまだ俺は美玖のことが忘れられていない。

 断ることとなった。


「そっか、あはは……。あの…今まで通り仲良くしてもいい?」



 断られたのに態度が悪くなったりすることもなく明るい態度を見せようとした彼女はとても魅力的だと思う。

 友達としてまた仲良くできるのは俺としてもとても嬉しい。








「早く行こ?」


「ああ……」


 告白される前と変わらず接してくれる彼女が少し眩しく見えてしまう。




「また一緒のやつ食べるの??」


「もちろん、そのために来てるからな」


「ふーん…そっかぁ……私もそれにしようかなぁ?」


 何かを考えている彼女は顔をあげると問いかけてきた。



「ねぇ、私がそれを真似して作ったら食べてくれる?」



「そんなことできるの?」



「うーん…保証はできないけどね?でも私そういうの得意なんだぁ」



 まじか……すごいな。



「じゃあ、その時は宜しくな?」


「ふふっ、期待しててねっ!」






 放課後



 今日は美玖と遊びに行くことになっている。

 昨日怒って帰ったと思ったら少しして「カラオケ行きたい」とメッセージを送ってきた。


 最近は3日に一回くらいのペースで一緒に遊ぶ仲になっている。



 好きな人ができたのに俺なんかと遊んでていいのか?



 だけど、俺はまだ美玖のことを諦めたわけじゃないから。

 好きな人ができたからと言って遊ばなくなる訳じゃなくてよかったとホッとしてる自分がいる。



 焦らないといけないんだよな……。




 そう自分に言い聞かせて待ち合わせ場所へと向かった。

















  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る