第3章 絆と永遠のクレアーレ
第41話
「ピピピッピピピッピピピッ」
枕元から聞き慣れないアラーム音が私を現実へと引き戻す。
目を開けるとそこには見知らぬ天井。
隣を見れば、ほぼ全裸の海がまだむにゃむにゃ言って起きるのを渋っていた。
そこから視線を真下に向けるのだが、羽織っているのはワイシャツのみ。
ほのかに見える自分の谷間。首元を触れば、まだ熱を帯びているように感じる。
昨日、寝る前に海が「お腹壊したらいけないから」と着させてくれたのだ。しかし一着しかなかったので、当の本人は着ていない。
なんだか申し訳ない気持ちだ。
私はスルッとまだ夢に浸りたい海を起こさないようにベットから抜け洗面台に向かう。首元にはしっかりと海の歯形が付いていた。
今日は体育祭の片付けがある。
もしみんなに見られたら……そんなことを考えるとちょっと怖いけど、一方でこれは海とのそういう証なのだと言い張りたくなるが……
出来ないので大人しく絆創膏でも張って誤魔化しておこうかな。
今日が終われば、あと残すは二週間後に待ち構える期末テストのみ。
そうすれば晴れて夏休み。
とは言っても、受験勉強と文化祭準備で精一杯になるだろう。あっという間に夏休みが終わり文化祭も終わる。
そうなると余計に受験という二文字は私の脳内で楕円軌道を描く。
海と一緒に居られるのも意外とあっという間、か……そう考えると毎日の彼女のとの積み重ねが私のかけがえのない宝物になるかもしれない。
はぁー……それにしても体が痛い。
でもまあいっか。愛は十分伝わったもん。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます