番外編②
ワンワンタイム
とつぜんだが俺は動物が大好きだ。
先日、皆と一緒に行った子犬カフェで周りからドン引きされる勢いで満喫したくらいには好きだ。
その影響か、前世の愛犬である
「ははは! 火花~♪ 俺を愛しているなら捕まえてごら~ん♪」
「あおーん♪」
「おっと、捕まってしまった~!」
「ぺろぺろ~」
「あはは、くすぐったいじゃないか~」
組み伏せられて顔中を舐められる。
幸せな夢だ。どうか覚めないでほしい。
「ぺろぺろぺろ」
顔だけでなく首筋まで舐められる。
はは、こらこら舐めすぎだぞ?
「ちろちろちろ」
「ん、んんっ! そんな際どいところまで舐めるなんて……いつからそんなテクニックをっ!」
「じゅっ、じゅっ、じゅうううう!」
「ああ~! そこはらめぇ!」
首筋から胸元、お腹、下へ向かってどんどん舐められる場所が変わっていく。
どうしたんだ、火花? どこでそんなエッチな舌遣いを覚えてきたんだい!?
「フンフンフン! ゴソゴソ……じゅるり」
「って、さすがにソコを舐めるのはダメでしょ~!?」
アダルトな場所を舐められそうになったところで慌てて起き上がる。
あぶねえ! 危うく一般誌から逸脱するところだったぜ!
「……ん?」
おかしいな? 夢から覚めたのに、まだペロペロと舐められている感触が……。
「ペロペロ♪ ダイキのお手々……おいちい♪」
「……って、ルカ!? 何やってんの、こんな朝っぱらから!」
舐められまくる夢を見るわけである。
なんと眠っている俺の体のあちこちを舐めていたのはルカだった!
俺が目覚めてもルカは犬耳と尻尾を揺らしながら嬉々と俺の手を舐め回して……は? 耳に尻尾?
「ル、ルカ? ど、どうしたんだ、その耳と尻尾?」
ルカの頭には、髪と同じ色の犬耳が生えていた。
ミニスカートからは同じく銀色の尻尾が伸びて、フリフリとご機嫌に動いていた。
……ははは。よくできたカチューシャとオモチャだな~と思いながら試しに犬耳を触ってみると……。
「んっ♡」
ビビクン! とルカの体が跳ねる。
「もう~ダイキ~だめ~。耳は敏感なの~」
「……え?」
触れた犬耳には無機物とは異なる温もりがしっかりとあった。
ルカもまるで本当のワンコのような反応を見せ……。
「ルカ……まさか……」
「うん。そのまさか」
ピコピコと犬耳と尻尾を動かしながら、ルカは愛らしいポーズを取る。
「起きたら犬さんになってたワン」
「……どゆこと~?」
* * *
ルカの体にとつぜん生えた犬耳と尻尾!
だが、それはルカだけではなかった!
「もう~どうしよ~。これじゃお外歩けないよ~」
「何でアタシがこんな目に遭わなくちゃいけないのよ~!」
「ダイキさん見てくださ~い! 本物の犬耳と尻尾ですよ~!」
「はああああん! こうなってしまった以上、クロノ様に犬として飼っていただくしか道は……ぐべらああああ!」
「黙ってろ淫乱シスター」
スズナちゃんの送迎車で白鐘家に集められたオカ研の女の子たちとアイシャ。
全員、髪と同じ色の犬耳と尻尾が生えていた。
「いったい、どうしてこんなことに……」
「たぶん、皆と行った子犬カフェが原因だと思う」
俺の疑問にルカが答える。
どうやら、あの子犬カフェには飼い主に愛されず捨てられた犬たちの霊魂が集まっていたようで、俺のように犬好きの人間の心に触れることで生前の未練を晴らしていたようだ。
……しかし、あの場所で成仏することができず、より深い愛情を受けるべく五匹の犬がついてきてしまったらしい。
きっと自分のことをとことん可愛がってくれる動物好きな人間。その者と親しい女の子の身に憑依することで、もっともっと愛情を注いでもらおうと……。
……あれ? ということは?
「ダイくんのせいだー!」
「責任取りなさいよこの犬バカ!」
「おれ~?」
レンとキリカが俺を指差して非難してくる。
そんな! 俺はただ楽しく子犬と遊んでいただけなのに!
「ルカさん、いつものように言霊で何とかすることはできないのですか?」
「そうしようと思ったけど、体に変異を起こすほどの憑依を解除するのは難しいの。もしも失敗したら、一生犬耳と尻尾が残っちゃうかもしれない。つまり……」
「つまり……?」
ルカは「フンス」とやたらとご機嫌に鼻息を荒くする。
「解決策はひとつ。このワンコたちの未練を晴らすしか方法はない。そのためにも……ダイキ! 私たちをワンコのように可愛がって!」
「え~……」
尻尾をブンブンと振りながら何を言っているのかね、このお嬢さんは。
「ちょ、ちょっとルカ!? 本気で言ってるの!?」
「じょ、冗談じゃないわ! 何でアタシがそんな真似しなくちゃ……」
ほら、レンとキリカもドン引きして……。
「なるほど! こうなった以上、やむを得ませんね! スズナの中の犬さんもダイキさんに可愛がってほしいと叫んでいます! ダイキさん! どうかスズナを犬のように扱ってください!」
「スズナちゃん!?」
「はああああああん! アイシャの中の犬さんもクロノ様の深い慈愛をそれはもうじっくりねっとりどっぷりと浴びたいと訴えていますわ! クロノ様! どうか悲しき霊魂に救済の手を!」
「アイシャ!? 鼻血吹き出してるぞ!」
あれ~? スズナちゃんとアイシャはめっちゃ乗り気っぽいぞ~?
「こんなこともあろうかとスズナ、首輪を用意してまいりました! さあ、皆さんどうぞ!」
「ナイス、スズナ」
「さすがですわスズナさん!」
「「ナイスでもさすがじゃない!」」
何やら俺を放って状況がどんどん進んでいく。
「ダイキ、お願い……」
「どうかスズナたちの中にいる犬さんたちを……」
「救ってくださいまし……」
ウルウルと瞳を煌めかせて、犬耳を生やした美少女たちが身を寄せてくる。
それこそ、ワンコが飼い主に甘えてくるように。
「……」
女の子を犬のように扱う。
まさか恋人ができる前に、こんなアブノーマルなプレイをすることになるなんて。
……いや、違う。これは決してやましいプレイなどではない。
見よ、ルカたちの瞳を。
俺には感じる。その瞳の奥底に宿る犬たちの魂の訴えが!
──愛して。ぼくたちを愛して。
涙が頬を伝う。
そうか、お前たちはそんなにも飼い主の愛に飢えていたんだな?
もう、大丈夫だ。
俺が生前の飼い主の代わりにお前たちをとことん愛してやる!
「……わかった。俺、覚悟決めたよ」
「ダイくん!?」
「黒野!? あんた正気!?」
レンとキリカが動揺を見せるが、俺は至って正気だ。
「この子たちは俺を求めてルカたちに憑依したんだ……なら最後まで責任を持って俺がお世話する!」
「ダイキ♡」
「ダイキさん♡」
「クロノしゃまぁぁぁ♡♡♡」
「「ええ~……」」
もう迷わない!
ここにいるワンコたちが成仏するまで、俺は立派な飼い主となる!
「ルカ、首輪を」
「わん♡」
渡された首輪を手に取り、色白の首にそっと嵌めていく。
「あっ……♡」
カシャン、と少女の首にペットの証がつけられる。
同じようにスズナちゃんとアイシャの首にも嵌めていく。
「ひゃぁ♡」
「おおおン♡」
少女たちは嬉しそうに首輪を受け入れる。
きっと彼女たちの中にいるワンコたちの喜びが現れているのだろう。
「……皆、伏せ」
「「「ワン♡」」」
俺の言葉に従って、ルカたちは四つん這いとなる。
首輪を嵌められた三人の美少女たちが物欲しそうに、俺を見上げてくる。
俺はそっと彼女たちの頭や頬を優しく撫でる。
「あっ♡」
「んぅ♡」
「くぅぅん♡」
「よしよし。今日から俺が君たちのご主人様だよ?」
「「「は、はい♡」」」
「こらこら。返事の仕方が違うだろ? 君たちはいま……犬さんなんだから」
「「「わ、わふ~♡」」」
「いい子だ」
よくできたご褒美にまたワシャワシャと撫でてあげる。
三人の……いや、三匹の犬少女たちは至福とばかりにトロンとした表情を浮かべた。
「「……ゴ、ゴクリ」」
俺たちの様子をレンとキリカは顔を真っ赤にしながら息を呑んでいた。
顔には困惑の色があるが……しかし、尻尾は誤魔化せない。
まるで俺たちのやり取りを羨ましがるように、レンとキリカの尻尾はブンブンと揺れているのだった。
俺にはわかる。二人の中にいるワンコたちが同じようにしてほしいと主張していることが。
「レン。キリカ」
名前を呼ぶと、ビクンと犬耳と尻尾が逆立たせるレンとキリカ。
「はぁ……はぁ……何、これ?」
「名前を呼ばれただけなのに……体が熱く……」
レンとキリカの表情が蒸気していき、「はぁはぁ」と息がどんどん荒くなる。
そんな二人に向けて、俺は手招きをする。
「……おいで?」
「「っ!?」」
その呼びかけを拍子に、レンとキリカも四つん這いになって歩き出す。
「あ、ああ、私、何を……」
「体が勝手にぃ……」
意思とは無関係に、体は本能に従う。
傍に寄ってきたレンとキリカにも平等に首輪を嵌める。
「きゅっ♡」
「あう♡」
可愛らしい声を上げるレンとキリカの頭をよしよしと撫でる。
たちまちレンとキリカの瞳にも悦楽の色が宿る。
犬少女たちの首輪にリードを付ける。
クイッと引っ張ると犬少女たちは「あう♡」と昂揚した表情で喜んだ。
これで準備は整った。
「安心しろ。皆まとめて愛してあげるからな?」
──は、はい♡ ご主人様♡♡♡
かくして五匹の犬少女たちとの楽しい時間が幕を開けた。
* * *
ワンコはお腹を撫でると喜ぶ。
そして俺の撫で方は、どんなワンコもたちまち快楽落ちさせてしまう、ちょっとした自慢の特技だ。
「よ~しよし。ここか~? ここがいいのか? わかるぞ~? わかっちゃうぞ~?」
「あっ♡ あぁ~♡ ダイキぃ♡ そこらめぇ、だワン♡」
「はぁ♡ はぁぁぁん♡ クロノしゃまぁ♡ アイシャ蕩けてしまいますワン♡」
ルカとアイシャのお腹を一緒に撫でていく。
二人に憑依したワンコたちは、よほどこの手つきが気に入ったらしい。
ルカとアイシャはいまにも幸せで卒倒してしまいそうな顔でビクンビクンと体を跳ねさせている。
……ん~。でもやっぱり衣服越しだとやりにくいなぁ。
やっぱり撫でるなら素肌の上でないとダメだな。
そう思い至った俺はルカとアイシャの服を捲り上げる。
「ひゃっ!?」
「ク、クロノ様!?」
露わになった細いウエストに手を重ねる。
待ってろ。本当の天国を味わわせてやる。
俺は全身全霊で撫で撫でを開始する。
「「はわあああああああン♡♡♡」」
ルカとアイシャが甲高い嬌声を上げる。
「ら、らめぇダイキぃ♡ こんなの気持ちよすぎて……わふぅ♡」
「アッ♡ アッ♡ いけませんわクロノ様ぁ♡ こ、壊れちゃううう♡ 気持ちよすぎて、アイシャ壊れちゃううううう♡」
足をジタバタと動かして快楽から逃れようとする二匹の犬少女たち。
ええい、大人しくせい。ここからが本番なのだから。
ルカはお臍のところを重点的に。
アイシャは下腹部を特に多めに撫でてやる。
「ほら、ここがいいんだろ?」
「「あ~んっ♡♡♡ ご主人様~♡♡♡ わふううううううううううう♡♡♡」
二匹同時に快楽の声を上げて、カクンと意識を落とした。
……ふぅ。満足したようだな。
「おいで、スズナちゃん。ほら、綺麗な毛並みをブラッシングしてあげようね?」
「わふぅ♡ 嬉しいですご主人様ぁ♡」
スズナちゃんはとっても素直な子なので、大人しくされるがままにブラッシングを受け入れる。
シャイニーブロンド色の耳がピコピコとご機嫌に動いている。
「スズナちゃんの髪は綺麗だな~。いつまでも触っていたいくらいだよ」
「ん♡ ご主人様なら、いくらでも触ってくださって構いません♡」
「そうかい? じゃあ、こっちもかな?」
「わふぅ!?」
ミニスカートからはみ出ている尻尾も優しく撫で上げながら、ブラッシングをしていく。
ああ、なんて手触りのいい尻尾なんだ。
いつまでも触っていたい。
「ご、ご主人様ぁ♡ し、尻尾ぉ♡ そんなに弄っちゃ、ダメですぅ♡ スズナ、気持ちよくて、おかしくなってしまいそうです……ワン♡」
「いいんだよ、もっと気持ちよくなって。ほら、素直になるんだ」
「ああ~♡ ご主人様ぁ♡」
ブンブンと激しく振られる尻尾。
スカートが捲れて純白のショーツが丸見えになるのも構わず、スズナちゃんは快感に身を委ねた。
「ほら、キリカもおいで。膝枕してあげるよ?」
「ふ、ふん! アタシはあんたみたいなヤツに懐柔されたりしないんだから!」
と言いつつ、俺の膝の上にゴロンと頭をのせるキリカ。
うんうん、お前のように人間に心を許さない警戒心の強いワンコの扱いも俺はよく心得ているぞ。
控えめな手つきで、そっと頭を撫でていく。
「よしよし、いままで辛かったな? もう、我慢しなくていいんだぞ?」
優しい声色で、囁くような小声で語りかける。
キリカは「ひゃう」と小声を上げて縮こまっていく。
「な、何よぉ……べつに、アタシは我慢なんてしてないんだから~」
いいや、キリカ。俺には誤魔化せないぞ。
俺にはわかる。キリカの中にいるワンコが一番愛に飢えていることを。
人間を嫌っている一方で、誰よりも優しさを求めていることを。
その寂しさ、俺が埋めてやるからな。
「怖がらなくていい。ここにはお前を脅かすものはいないんだ」
「あ……」
「素直になっていいんだ。全部、俺が受けて入れてあげるから」
「……い、いいのぉ?」
「もちろんさ。さあ、俺に思いきり甘えておいで?」
「……ふえぇ。イイコ……イイコいいこしてぇ! キリカのこといっぱい褒めて~」
「おお、よしよし。キリカは偉い。いつも頑張っていて偉いな。俺はよく知っているぞ?」
「あ、あふぅ♡」
ピコピコとキリカの犬耳が反応する。
なんと愛らしい。ますます可愛がってあげたくなる。
「いいこ、いいこ。キリカはとってもかわいい」
「ほ、ほんとぉ? 本当にそう思ってる~?」
「もちろんさ。お前に出会えて俺は幸せだ」
「わ、わふ♡」
「生まれてきてくれてありがとう、キリカ」
「……きゅぅ♡」
幸せの許容値を越えたのか、パタリとキリカは意識を落とした。
「さあ、レン。ミルクの時間だよ?」
「ま、待ってダイくん。私まだ心の準備が……」
「ん? お皿に淹れるんじゃ流石に飲みにくいだろうから哺乳瓶に淹れたぞ?」
「だから恥ずかしいんじゃないか~!」
レンを抱き寄せて赤ん坊にするように哺乳瓶を咥えさせようとする。
しかしレンはまだ羞恥心が残っているようで、素直に口を開けてくれない。
「は~いレンちゃ~ん、我が儘言わずに飲みましょうね~?」
「ん~!」
レンは頑なに口を閉じてイヤイヤと首を振る。
むむ、なかなか強情な子だ。
「ほら、遠慮しないで。とってもおいしいから……あっ」
「ひゃんっ」
しまった。勢い余ってミルクが飛び出してしまった。
俺とレンの体がミルクまみれになる。
「……ご、ごめんなさい。こぼしちゃった……お、怒らないで?」
レンはぷるぷると震えながら俺を見つめる。
それはまさに捨てられることを恐れる子犬の姿だった。
俺はそんなレンの頭をよしよしと撫でる。
「いいんだよ。俺こそ無理に飲ませようとしてごめんな?」
「わふ♡」
撫でられるとレンは嬉しそうに犬耳をピコピコさせた。
「ああ、でもミルクで汚れちゃったから……一緒にお風呂に入ろうか?」
「……え?」
お互い水着に着替えて、白鐘家の広々とした大浴場に入る。
シャワーでレンの体を綺麗にしていく。
「ほらほら、大人しくして。いま綺麗にしてあげるからな?」
「わ、わひゃぁん♡ ダ、ダイくぅん♡ ダメだよぉ♡ 恋人でもないのに、こんなことしちゃ~♡」
「何言ってるんだ。ご主人様がワンちゃんの体を洗うのは普通だろ?」
「そ、そうだけど~♡ ああん♡ そこ撫でちゃいや~ん♡」
白ビキニに身を包んだレンの体を素手で優しく洗う。
華奢な肩。くびれたウエスト。むっちりとした太もも。
色白な体を隅々まで洗浄する。
卑しい気持ちは湧かない。
だって相手はワンコなのだから。
愛に飢えたワンコたちの魂を救うためなら、雑念など消え失せていく。
「ご主人様♡ レンだけズルいワン♡」
「スズナたちも♡」
「き、綺麗にしなさいよね♡」
「わふぅ♡ ですワ~ン♡」
レンだけシャワーで洗ってもらうのが羨ましかったのか、他の皆もビキニ水着を身につけて風呂場に入ってくる。
「よ~し、皆まとめて綺麗にしてやる」
「「「「わふぅ~♡」」」」
俺は全力で五匹の爆乳犬少女たちの体を洗い始めた。
「あっ♡ あぁっ♡ ダイキの手、気持ちいい♡ もっとぉ♡ もっと洗ってぇ♡ そこ♡ そこがいいのぉ♡」
「はぁぁぁぁン♡ 激しい♡ 激しすぎますわクロノ様ぁ♡」
「やぁん♡ 尻尾♡ 尻尾はダメだよダイくぅん♡ そんなシコシコ動かさないでぇ~♡ 変になるぅ~♡ どんどん気持ちよくなっちゃうよぉ~♡」
「わふぅ♡ ご主人様♡ スズナ、幸せですぅ♡ ちゅー♡ ぺろぺろ♡」
「こらぁスズナぁ♡ せっかくお風呂入ってるのにご主人様の顔を舐めたらまた汚れちゃうでしょ~♡」
「あ~、ずるい~♡ 私たちも舐める~♡」
色白の柔肉の群れが我先にと迫ってくる。
ふわふわで、すべすべな感触に身を包まれながら、犬少女たちの素肌に手を伸ばす。
時折、俺の頬や体に舌を伸ばして舐めてくる子もいて、負けじと他の子もペロペロとしてくる。
自分を愛して。
自分を特別にして。
そんなワンコたちの心が伝わってくる。
任せろワンコたち。
俺がまとめて……愛してやる!
「うおおおおお! イクぞ皆ぁ! 幸せになれえええええ!!」
「あああああああああああン♡♡♡」
五匹の嬌声が大浴場に響き渡る。
その瞬間だった。
──……ありがとう、ご主人様。こんなに愛してくれて。
五匹のワンコたちの姿を幻視する。
ワンコたちは俺に感謝の言葉を送って、天に昇っていった。
……そうか。もう、いいのか。
気をつけていくんだぞ?
涙を拭い、俺は周りを見渡す。
艶やかな吐息をこぼしながら、浴場に横たわる水着姿の少女たち。
彼女たちの頭と腰に、犬耳や尻尾はちゃんと消えていた。
良かった。除霊は成功だ。
「ルカ! 皆! よく頑張った! もうこんな特殊なプレイをしなくていいぞ!」
事が済み、やっと冷静さを取り戻す。
いや、ワンコの霊たちのためとはいえ、俺ってば女の子たちにとんでもないことをしてたな……。
こりゃビンタの一発……いや、百発貰っても文句は言えないぞ。
「ん~……」
やがて少女たちはムクリと起き上がる。
その瞳はまだちょっと夢見心地だ。
「大丈夫か皆! ほら、犬耳と尻尾なくなったぞ! 良かったな!」
「……」
「皆? どうしたんだ?」
「フゥー……フゥー……」
何でそんな物足りなさそうな顔してるんだ?
何でそんなズルズルと迫ってくるんだ?
……てか皆、ちょっと水着がズレてて見えちゃいけないものが見えそうなんですが。
「ご主人様♡」
女の子たちが同時に俺をそう呼ぶ。
いや、だからもうワンコプレイは終了したんですが?
しかし、女の子たちの目の色は変わらず悦楽に染まりきり、俺をねっとりと見つめていた。
……何か嫌な予感がしてきたな。逃げよ!
しかしガシッと少女たちに体を掴まれてしまった。
「逃がさないよダイキ♡」
「私たちにここまでしておいて♡」
「もう終わり、なんてことありませんよね♡」
「ちゃんと最後まで責任取りなさいよね♡」
「わふっ♡ わふわふ♡ わおおおおン♡♡♡」
五人に取り囲まれて風呂場に押し倒される。
散々ワンコとして扱われた少女たち。
はぁはぁと息を荒くする彼女たちからは、完全に理性が失われていた。
「それじゃ……」
──可愛がって♡ ご主人様~♡ わふ~♡
迫り来る十の爆乳。
視界が特大のおっぱいと肌色で埋め尽くされていく。
「ちょっ! 待って! 皆、正気に戻っ……アーッ!」
快楽で我を失った少女たちは、再びワンコとなって俺に甘えてきた。
この後、何とか皆を正気に戻したが、しばらくの間お互い気まずさから目を合わせづらくなるのだった。
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