第13話 商業ギルドに登録しよう
まず最初にやって来たのは商業ギルド。まだ建物の前で正面しか見えてないけど、それでもかなり立派な造りをしている。さすがは国中の商業を取りまとめている組織なだけはあるわね。
「さ、それじゃあ入りましょうか」
「お嬢様。ここにどのような用事があるのですか?」
「ん?ちょっとね」
ブラオが怪訝そうな顔で聞いてくるが、説明が面倒くさいので軽く流して建物の中に足を踏み入れた。
ギルドの中は思ったほど広くは無かった。ただ、入口の左側には上への階段があるので、奥行きはそこそこあるのかも知れない。それと入口の右側には椅子とテーブルが複数置かれたスペースがあるので、おそらく商談場所なんだろうと思う。そして正面にはカウンターテーブルが設置されており、職員が何人か座っていた。
軽くギルド内を観察すると、最初の目的を達成するために正面のカウンターの空いてる職員の所へと向かった。
「あの、すみません」
「はい。どうされましたか?」
私の身長では少しカウンターが高かったので、少し背伸びをしながら話しかけることになった。でもカウンターに居たお姉さんは表情一つ変えずに、笑顔で対応してくれた。
うーむ。これがプロというものなのか。
「えっと、ギルドに登録したいのですができますか?」
「ええ。登録料さえお支払いいただければ、どなたでも登録できますよ」
「よかった。よろしくお願いします」
「はい。それでは、こちらにご記入をお願いします」
そう言うと受付のお姉さんは一枚の紙を差し出してきた。
「えっと。書くのは名前だけで良いのですか?」
「はい。身分証としてだけ登録される方もいますし、なにより商売の内容を詮索しないのが暗黙の了解になってますので。それと登録料は金貨一枚です」
笑顔で
それよりも登録料は金貨一枚かあ・・・。少し高いけど仕方ないか。
「はあ。そうなんですね・・・っと書けました」
「はい。確認しますね。お名前はリスティー・ミラージュさんでお間違いないですか?」
「はい間違いないです」
「では登録料をお支払いください」
わたしは後ろで控えているアリアから金貨を一枚受け取りお姉さんに渡した。
「これでいいですか?お願いします」
「お預かりしますね。少々お待ちください・・・・・・それではこの上に手を置いてください」
受付のお姉さんは何かを操作すると、ノートサイズくらいの箱をわたしの目の前に置いた。
「これでいいのかしら?」
わたしが箱の上に手を置くとすぐに一枚のカードが出てきた。
「はい。これで登録は完了しました。カードについて説明は必要ですか?」
「お願いしますわ」
「そちらのカードは商業ギルドの施設を利用するのに必要な他には、カードの提示で各街への入場税が免除されます。またギルドにお金を預ける事もでき、出し入れは全国どこの商業ギルドからも可能となっています。それとこれは極希なことですが、商業ギルドや国に多大な貢献をした場合はカードにその事が記録されます。反対に犯罪も記録されますのでお気をつけください。最後に、カードには持ち主の魔力が登録されてますので、他人が使用することは不可能となってます。そして紛失された場合は速やかにお近くの商業ギルドに届け出てください。再発行は可能となってますが、手数料が金貨十枚かかりますので無くさないようにご注意ください。説明は以上ですが、何か質問はありますか?」
なるほどね。どういう仕組みか分からないけど、結構便利みたいね。
「今のところは大丈夫よ。もし、何か分からないことができたら質問するわね」
「畏まりました。いつでもお気軽にご質問ください」
それじゃあ、そろそろ本題といきましょうかね。
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