第7話 女神様との再会2

 不老不死っぽいなにかになってしまったことについては、また今度考えることにしよう。クールダウンするためにも、今までスルーしていたことを質問してみた。




 「ところで、女神様のお名前は何というのですか?」




 怒濤の展開過ぎて、聞くのを忘れてたんだよね。




 「そういえば教えてなかったわね。わたしのことは『ノイ』と呼んでちょうだい」




 「はい。女神ノイ様ですね」




 「女神はいらないわ。それで、他に聞きたいことはあるかしら?」




 「それではノイ様と呼ばせていただきますわ。他には・・・そうですねえ・・・ああ、そうですわ。魔法が巧く使えなかったのですが、コツなどはあるのでしょうか?」




 「?巧く使えなかった、ねえ・・・」




 ノイ様はそうつぶやきつつ、わたしの全身をじっくりと観察しだした。




 「あ、あの・・・どうですか?」




 「・・・・・・・・・・・・なるほど、そういう事ね。・・・・・・でも、なんでこうなったのかしら?」




 体感にして5分くらい経った頃、ようやくノイ様はわたしを観察するのをやめてくれた。でも、なんだかノイ様の表情に曇りがあるのに不安を感じるな。




 「何か分かりましたか?」




 「何故だか分からないのだけれども、貴女の魔力量が桁違いに大きいのが原因の一つだと思うわ」




 「大きいとダメなのですか?」




 「想像してみて。小さなコップに水を入れるのに水差しではなく、大きな桶から直接入れている様な状態なのよ。つまり魔力を使うのに相当気を付けないと、すぐに必要以上の魔力を出してしまい暴走状態になるのよ」




 「えっと、コントロールができないという事ですか?」




 「簡単に言うとそうね。上手に使えるかは練習次第かしら。一番簡単なのは、一度大きな魔法を使用して、そこから徐々に小さくしていく方法がいいかもしれないわね」




 「それって今のわたしには、事実上不可能って事じゃないですか!?」




 「それもそうね。・・・それではこれをあげるわね」




 少し考えた後、ノイ様は一つのペンダントを手渡してきた。ペンダントトップは青い宝石で銀色のチェーンが付いていた。




 「ありがとうございます。これは何ですか?」




 「身につけていると、魔力を一割まで減らすことのできるアイテムよ。これがあれば多少はマシになると思うわ」




 「そ、それはまた・・・すごいですね」




 普通の人にとっては呪いのアイテムになるのだろうけど、わたしにとってはとてもありがたい物だわ。




 「本来は呪いのアイテムに分類される物だから、あまり他人には見られないようにしなさいね」




 本当に呪いのアイテムだったよ。




 「呪いのアイテムって、大丈夫なんですか?」




 「それは平気よ。効果は所持しているときにだけ発揮され、身体から離れれば効果を失うだけよ」




 「なるほど。それは確かに今のわたしにとっては、最高のアイテムですね」




 さっそくペンダントを身に着け、宝石は外から見えないように服の中にしまうことにした。




 「それから、魔法の威力には『何故そうなるのか』を知っているのは必要だけど、一番重要なのは『イメージ』の力だからね」




 「イメージ・・・」




 「そう。たぶん貴女のことだから、難しく考えすぎてるんじゃないかしら?恐らくそれも巧く使えない原因だと思うわ」




 そう言われれば、思い当たる節はある。




 「ありがとうございます。光明が見えた気がします」




 「それならよかったわ。あら?そろそろ時間みたいね。またいつでも来なさいね」




 どうやらもう時間切れのようで、わたしの意識は現実に引き戻されていった。

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