第6話 女神様との再会

 「あ、あれ?女神様?もしかしてまた死にました?」




 「いいえ。貴女とゆっくりお話がしたかったので、精神だけをお呼びしました。だから、そんなテンプレな反応はしないでくださいね」




 なるほど・・・転生モノでよくある展開だし、別に慌てる必要は無かったな。それにしてもこの女神様は、テンプレなんて言葉はどこで覚えんだろう?




 「コホン。わたしが言葉をどこで覚えたかなんてことは、どうでもよろしいのです」




 「え?もしかして口に出してましたか?」




 「いいえ。忘れましたか?わたしは貴女の考えてることが分かるのですよ。そんなことよりも、聞きたいことがあるのでは無いですか?」




 そういえば転生する前に、そんな話を聞いた気がするな。色々ありすぎて、すっかり忘れてたよ。




 「まずは・・・そうですねえ・・・つい先程できた疑問なのですが、なぜ教会にある石像は男性だけなのですか?」




 「・・・・・・実はですね、この世界で信仰の対象になっている神は男神だけなのです。わたしは成り立てでして、まだ人々に存在を知られていないのです。人々に知ってもらうためには、神託を出す必要があるのです。でもわたしにはまだ、その神力ちからが無いのです」




 少し間があったけど、気まずそうに理由を教えてくれた。




 「なるほど。そういう事なのですね」




 「ですので、わたしが神力ちからをつける為にも、貴女には頑張ってもらわなければなりません」




 「頑張るとは?」




 「難しい事ではありません。ただ普通に生活して、善き行いをしてくれればよいのです。それがわたしの神力ちからになるのです」




 「えっと・・・よく分からないのですが?」




 「貴女の行動やったことが人々に感謝されれば、感謝された分だけわたしの神力ちからになるのです。そうすればやがて、わたしはこの世界に神託を出すことができるようになり、人々に存在が認知される。それが第一の目標です」




 「は、はあ?ま、まあ・・・頑張ってみます。でも、達成できなくても怒らないでくださいね」




 やっぱりよく分からないや・・・。




 「大丈夫ですよ。1000年は長過ぎですが、100年や200年なら待ちますよ」




 はて?聞き間違いかな?この女神様、なにか変なこと言ってないかな?




 「いやいや100年や200年って、わたし死んじゃいますよ」




 「心配無用ですよ。貴女には寿命という概念は無いですから♪」




 ホワッツ?イミガワカラナイ・・・。




 「っ!」




 「転生するときに絶対に死なないって、言ったと思いますけど?」




 「確かに聞いた気がしますが、あれってそういう意味だったんですね」




 「でも子供のままの姿だとなにかと不便ですので、20歳くらいまでは普通に成長しますから安心してくださいね」




 「はあ・・・それは、アリガトウゴザイマス」




 今の10歳の姿よりも、20歳に成長した後の方が、若作りとして誤魔化しやすいとは思うけどね。思うけど、なんだろう・・・ひどい詐欺に遭った気分だわ。

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