一家団欒のロールキャベツ
文重
一家団欒のロールキャベツ
「皆集まって!」
少し脂肪の乗ったひき肉母さんが招集をかけます。
「そう急かさないでよ。あたしがいないとコクが出ないでしょ」
タマネギお婆ちゃんはさすが年の功、慌てず騒がず小柄な体を預けてきます。
「つなぎ役は俺に任せてくれよ」
パン粉叔父さんは、縁の下の力持ち的役割にも満足そうです。
「仕方ないわね、私もつなぎ役をやってあげるわ」
華やかな表舞台を夢見ていた卵叔母さんも、しぶしぶ皆と行動を共にします。
「味の決め手は僕たちに任せてよ」
とナツメグ、ローリエ、塩、胡椒のスパイス兄弟たち。
「さあ皆、この胸に飛び込んでおいで!」
一風呂浴びたキャベツ父さんが包容力のあるところを見せます。長いものには巻かれろというところでしょうか。
「このいぶし銀の底力、刮目せよ!」
のぼせ気味のコンソメお爺ちゃんも存在感を発揮させます。
「お待たせ~」
トマト姉さんが最後に鍋にダイブして、これで一家全員揃ったようです。
「いただきます!」
一家団欒のロールキャベツ 文重 @fumie0107
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます