第145話
投稿遅れました。理由なく一カ月以上投稿をサボったカスです。
もう死んだ方が良いんじゃないかなこのゴミ
まぁそんな事はともかく本当に申し訳ないです。
ではどーぞ...
―――――――――――――――
気分が良い。
最後に睡眠を取ったのはいつだったか。少なくともここ一カ月は寝ていないだろう。
知らず知らずの内に蓄積されていたのであろう疲労から解放された爽快感。そんな心地良さに、俺は包まれていた。
久々の睡眠のせいか、寝ぼけた意識のまま目を開く。
「...う」
しかし差し込む光がどうも眩しく感じて、半分だけ開いたそれを再び閉じた。
そんな俺の小さな動きを感じ取ったのだろうか。すぐ傍で誰かが口を開く。
「あっ、起きた。おはようライト、よく寝れた?」
溌剌とした元気のある声。それが耳に届いた瞬間、起動直後の脳みそが今更のように仕事を開始した。
俺の記憶は、サラの膝の上で目を閉じたところで途切れていた。そして目を覚ました時には明るくなっている。
眩しさを我慢し、細めながらも再び目を開く。太陽は真上にあった。つまり正午という事である。
頭に一つの単語が過った。
「...なぁ、俺ってどれくらい寝てた?」
「うーん多分15時間くらいかな?あっ、でも全然気にしなくていいからね!」
彼女の擁護するような言葉は余りに耳に入らなかった。残念な事に、先程過った単語は当たりだったようだ。
「爆睡してんじゃん、俺...」
「ホントにな。随分と快眠だったようで何よりですよ隊長」
昨日よりもスッキリとした――それが問題なんだが――脳で思案する。一体どうすればこの窮地を脱する事が出来るだろうか、と。
美少女の膝枕で爆睡、こんなネタで揶揄って来ない程コイツらは出来た人間じゃない。寧ろ嬉々として馬鹿にしてくるだろう。つまり反応したら負け。
ならば答えは一つ、無視する事である。
「よし、全隊出発用意」
「隊長が寝てる間に終わらせたぞ」
「...じゃあ出発だ」
もう幸先が悪いどこじゃねぇよ...
そんな愚痴を呟きながら、恥ずかしさで少し赤くなった顔を隠すように、速足で歩き出した。
「あ~いいよなぁ隊長は。俺達に火の番させといて自分だけ爆睡かましちゃってさー」
ムカつく事に反論のしようがなかった。
羞恥と情けなさで死にそうだった。
いやしかし、どうして俺はこんなに寝てしまったのだろうか。遠い目で空を仰ぎながら考える。山の天気は変わりやすいとは言うが、空は嫌味なくらいに晴れ渡ってるし、太陽も爛々と輝いている。
「あ~腹減ったー。隊長が起きないもんだから何も食ってねぇんだよなー」
後ろから揶揄う様な言葉が飛んできた。
発言者は嬉々として馬鹿にしてくる隊員の最たる人物である。
コイツの質の悪い点は、言っている事自体は間違っていないという事なのだ。だから反論出来ない上にしてしまったら更に過激な皮肉が飛んでくるのだ。
言っている事が正しかろうがその行為そのものは間違っていると思うが、それを指摘出来る立場ではなかった。少なくとも今は。
とは言えこう言った手合いには無視が一番なので、俺は澄んだ空気故に見通せるようになった山の景色を眺める事にした。
昨日のアレがそうだったのかは分からないが、嵐は空を綺麗にしてくれるらしい。海の様な深い青は空気が澄んでいる証拠だろう。標高が高いせいで気温は随分と低いが、おかげで太陽の強い光も不快に感じない。
登山など今まで一度も楽しいと感じた事はなかったが、存外悪い物でもない物である。後ろから飛んでくる嫌味さえなければ。
そんなこんなで山の景色を楽しみながら歩き続けるも、ここに来て俺の起床時間の遅さが響いて来た。
たった数時間しか歩いていないのに、もう暗くなってきたのだ。
山の日照時間は短い。だからこそ朝早くから行動を開始しなければいけないのだが、俺があんな時間に起きたせいで空はすっかり暗くなりはじめているのだ。
つまり今日は俺のせいで移動距離を稼げなかったという事である。
そう申し訳ないなと思っていると、後ろで何かがぶつかった音がした。
「うおっ、あっぶね。隊長起きるの遅いからもう暗くなってきちゃったよ」
すかさず飛んでくる責任転嫁。いや、俺のせいで少ししか歩けていないのは認めよう。しかし俺のせいなのはそこまでである。
「躓いたのはお前のせいだろ...」
「ってかもう野営準備入らないとヤバいんじゃね?」
俺の言葉なんぞまるで聞いていないかのようなその提案に、苛立ちというよりも呆れに近い感情が浮かび上がってくる。
そんな感情を抑えながらも、俺は溜息と共に言葉を返した。
「...まぁそうだな、じゃあ宿営地準備!」
そう言うや否や、目線を山頂の方へと向けた。
もう日も暮れかけているからか、その全貌はハッキリとしない。しかし、山頂までは大した距離があるようには見えなかった。この分だと、明日には下山に入る事が出来るかもしれない。
この山を登り始めてもう4日経つが、やっとここまで来れたのだ。
麓から見上げた時はそのあまりの高さに愕然とした物だが、登ってみると案外そうでもなかったなと、一種の達成感が湧いて来た。
「サボってないで手伝ってくれよ、隊長」
「...あぁ、悪い」
にしたって口悪すぎやしないか、コイツ。
辟易としながら振り返って歩き出した。
〇
「皆も分かっているだろうが、まぁ一応伝えておく」
野営場所の設置も完了し、いつもの様に火を囲う懲罰部隊。
かしこまってと言う訳ではないが、その場が静かになるのを見計らって俺はそう切り出した。
「明日中には山頂を越えるだろうから、そしたら後は下山するだけだ。最後まで気を抜かずに上るぞ」
「了解」
「うーっす」
「おう」
各々気のない言葉を返してくる隊員達。
だが、それがいかにも『らしい』と思った。何時までも気が抜けてて、真面目な雰囲気なぞこれっぽっちも纏っていないような、そんな懲罰部隊が。
「隊長が寝坊しなければ今日中だったかもしれねぇけどな」
...今夜は寝ないでおこう。そう心に決めながら、俺は聞こえていないフリをしながら火を眺めるのだった。
――――――――――――――――――
久しぶりの投稿の癖にこの文字数はマジでクソ
投稿頑張ります...
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます