第93話
週末にもう一話投稿する(大嘘)
本当に申し訳ない...
以下が経緯でやんす
躁状態作者「よし!カクコンも始まったし、気合い入れて書くぞ!」
鬱「 私 が 来 た !!!!!」
作者「」
――――――――――――――――――――――――
「国境線に動きあり...やはりこのタイミングか。」
天幕の中で、紙を手()りながらそう呟く少女が一人。
少女...いや、幼女と言ってもいいほど幼い彼女は、しかしその身に似合わない軍服を着ていた。
口に不敵な笑みを浮かべながら、その書類を眺めている。
「大方、今なら我々は対応出来ないとでも思ったか?」
彼女の名はオリヴィア。
王国のかつての参謀、エイベルの実の娘である。
「やはり読みは当たっただろう?指揮権がこちらで良かったな」
その笑みを絶やさぬまま、ゆっくりと後ろに振り返る。
「残念ながらそのようだな」
ムスッ、と。若干の不満を抱きながらも、オリヴィアの言葉には賛成の様だった。
「まぁ良い。私は元々前線指揮官だったのだ」
そう拗ねるように言った彼女の名はクリスティア。
合衆王国軍の総大将であった女にして第一王女...サラの姉だ。
「で、例の部隊はどうだ?使えそうか?」
「いや、纏まりが無さ過ぎる。サラは隊長という柄でもないし、他も彼らを抑えられるほどの器じゃない...やはりレオの死は大きな損失だったな。」
そう言った彼女の顔は悔し気だ。
合衆王国の最高戦力の立場は、今や彼女の物となってしまったからだ。
――そう、懲罰部隊の事実上の崩壊によって。
懲罰部隊にとって、やはりライトという少年の存在は大きかった。
あの癖の強い部隊の隊長を務めるのは簡単な事じゃない。
懲罰部隊がその実力を発揮出来なくなったのは指揮官が大きい。
「まぁ良い。そもそも、部隊の半分近くが離反した時点で部隊の体は崩れ去ったのだよ。全く、王国も恨まれたモノだ」
だがしかし、懲罰部隊崩壊の最大の要因は、隊員の離反によるものだろう。
そもそも、懲罰部隊の大半は王国に恨みがある者だ。それが、急に停戦した挙句復讐すべき相手と協力しなければならないなど、冗談にしてもタチが悪い。
そして、離反した隊員の行く先は何処か。
「まぁ、一般隊員は魔力が多いだけだ。対して脅威にはならんだろう...帝国の使いようによっては面倒くさくなるがな」
そう、帝国軍だ。
とは言え、彼女が言った通り大きな脅威にはなり得ないだろうが。
それでも、懲罰部隊という戦力が崩壊したのは大きな痛手だ。
設立当初は30人は居たようだが、今やその半数程度まで数を減らしていた。
そんな事を考えながら、クリスティアは目の前の少女と会話を続ける。
「帝国にそんな余裕はないだろう。精々が前線に送るだけさ」
「だったら良いがな」
「...私は例のライトの方が気になる。魔術王の弟子とやらもだ」
王国は全力でライトの捜索をしたが、結局彼の足取りを掴むことは出来なかった。
もし彼まで帝国に付くようならかなり不味い...いや、不味いどころでは済まないのかもしれない。
それほどまでに、彼の力は圧倒的なのだ。
だが、彼女らはライトが敵対するとは考えていなかった。
「聞いた話じゃ、まともな精神状態ではないんだろう?」
「...あぁ、そのようだな」
彼女とて軍人。
情報を持つ人間が捕虜になった時、どのような扱いを受けるのかは知っている。
捕虜にされるくらいなら自死を選べという言葉があるが、それは名誉や誇りの為などではない。情報漏洩を防ぐためだ。
ライト...というより、懲罰部隊はそういう軍の一般常識を知らない。
そして、懲罰部隊をその様に特別扱いしたのは紛れもなくクリスティアだった。
彼女はライトに負い目を感じていた。
しかし彼女は、それ以上にサラが心配だった。
あの時にライトが余程酷い状態だったのか、妹は食事もまともに取っていなかった。
しかも、サラはそんな状態で戦場に立とうとしている。
確かに、サラは懲罰部隊に残った唯一のストッパーしての役割がある。だが、あんな状態でその役目を果たせるとも思えなかった。
だが、それはおくびにも出さない。
妹は大事な存在だが、彼女にも軍人としての役目がある。
祖国の為、国民の為に働く事が彼女の役目である以上、私情でサラという戦力を戦場から遠ざける訳にはいかなかったのだ。
「精神的に脆い時に付け込まれる場合もある。警戒はしておくべきだろう」
オリヴィアはそう言って会話を締めた。
戦争が始まった以上、二人とも忙しくなるからだ。
オリヴィアは策士タイプだが、クリスティアは前線指揮官タイプだ。
前者は後方で作戦を練り、後者は前線で敵と鎬を削る。
であるからして、二人が再び会うのはもう少し先になるだろう。
「ではな」
「あぁ、また」
クリスティアはそう言って天幕から出て行った。
それを後からしばらく見送っていたオリヴィアだが、その姿が見えなくなると視線を手に持っていた書類に戻した。
「...王国も人の事を言えた立場じゃないが、中々酷い国だな、帝国は。」
王国が貴族による独断の非道とすれば、帝国は皇帝を頂点に置いた上層部全体による非道だろうか。
貴族は人によって領民に対する扱いに差がある分マシだが、後者は国家全体でそれを推し進める分救いがない。
突くならそこだろう。
クーデター、革命。言い方は様々だが、ともかく現時点での支配者に対する何らかの反逆行為というのは、支配者に対する不満と戦争や不作などの自国を取り巻く情勢の不安定化という2つの条件が達成された時に発生する物だ。
であるからして、今は絶好のチャンスだと言える。
...とはいえ、帝国上層部だって無能ではない。
帝国はそこらへんも上手くコントロールしている。
実際我々が敵の地下組織や民衆に手を貸して扇動したところで大した効果はない。
せいぜい、こちらが諜報員を失うのが山々だろう。
諜報員の質は向こうが上だし、合衆王国の裏方はそもそも使い物にならない。
であるからして、水面下での戦いで帝国に勝利し混乱を齎すというのは不可能――
「――そこで、貴様の仕事という事か」
だが、帝国上層部が想定していなかったイレギュラーが一人。
帝国、王国の両方で犯罪行為を犯した指名手配人物。
目的、動機、手段その全てが不明の犯罪者。
確かに、彼の存在は帝国も知っている。
――両国にとっての敵として、という条件付きではあるが。
つまり、帝国がその人物が王国につくというのは完全に想定外の物であった。
いつの間にか天幕に入り込んでいた男が一人。
仮面を被ったその男は、腕を組みながら沈黙を貫いていた。
「どう動くつもりかは知らん。指示したところで従うつもりもないだろう...だが、せめて目的を聞かせてくれないかね?」
仮面の奥からこちらを覗く壊れた目を見ながら、オリヴィアはそう言った。
「――取り合えずの目的なら、そうだな...魔王に関する事とでも言っておこう。」
「はぁ...貴様もそれか、エル...まぁいい。出発するなら早くしろ」
「あぁ、ちょっと帝都に行ってくるよ。目当ての人物も居るだろうしね。」
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マジで鬱って何なんだろうね。唐突過ぎるんだよなぁいつも...
しかもタイミングがゴミ。コンテスト始まるし気合い入れなければと思った途端これだよ。しかもついこの前「一周年もあるし頑張る」みたいなことも言ったからなぁ...いやほんとごめんなさい。こればっかりは予測出来ないので...
ではまた
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