第54話父との会話
ーー読まなくてもいい、というか読まない方が良い前書きーー
どうも、3日サボって久しぶりに投降したと思ったら今度は5日もサボったカスの中のカス。帝国ゴリラです。
ほんっとすいません。
富士急ハイランド(山梨県)と道頓堀(大阪府)とUSJ(大阪府)とアメリカ村(大阪府)と横須賀海上自衛隊基地(神奈川県)行ってました。めっちゃ楽しk...小説の事が気になって仕方なかったです。
ごめんなさい。
――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「敵大規模魔術発動!迎撃!」
「討ち漏らしだ!何やってる4班!」
「うっせぇ!!俺らの仕事多すぎだろ!!」
「ライト!私もうすぐ魔力尽きそー!」
「があああぁぁ!!いってえぇ!矢が足に!」
「クソッ!第二班!!普通に物理攻撃来てんじゃねぇか!!」
「知るか!!文句言うなら敵を減らせ一班!!」
この死闘が始まってから、どれくらい経っただろうか。
幸いにして死者はまだ出ていない。だが、足に矢が刺さった者、岩魔術で片手を潰された者、炎魔術で目をやられた者など負傷者は多い。
どれくらい、生き残れるだろうか。
そう暗くなった思考を振り払い、必死に、生き延びる為だけに頭を回す。
何故、こうも進めていないのか。
いや、何故、敵に損害を与えられないのか。
考えられる理由は幾つかある。
まず、敵の魔術障壁が強固過ぎる事。俺達の攻撃が、一切通っていない。
だが、それも一点に集中して魔術投射すれば解決できると思っていた。
しかし敵の包囲網は完璧。俺らが進めば、その分前方の敵は後退し、代わりに俺らの後ろの部隊が前進する。そのせいでどの方向に進んでも必ず全方位からの攻撃が飛んでくる。
...絶望的な状況だが、希望はまだある。
それは、合衆王国軍の存在だ。
こんなに派手にドンパチやってたら向こうも気付くはず。
だから俺達は、「後少しで援軍が来る」と思って必死に戦っている。
「...ッ!ライト、敵に動きが!!」
突然のレオの声に、思わず思考が止まった。
「...はぁ!?このタイミングでか!?」
敵からすれば、このまま魔術を叩きつけていれば勝てる。
にもかかわらず、急に包動き始める王国軍をの行動を不可解に思った。
その真意を探ろうと、敵の包囲網を注視する。
「これは......包囲網を解いている?」
...尚更意味不明だ。
(明らかに不自然すぎる、罠かなにかか?)
いや、だが突くならこのタイミングしかない。
ちょうど俺達の目の前の列が崩れている。この穴に魔術をぶち込めばあるいは...!
「――お前ら!!あの隙をつく!!ありったけの魔術をぶち込めぇ!!」
躊躇している暇はない。
俺は隊員に叫んで指示を飛ばした。
「ヘルファイア!」
「ストーンバレット!」
「ウィンド・カッター!」
「ウッド・ランス!!」
俺の指示に従い、それぞれの得意魔術を放つ各班。
それらが、先ほどより薄くなった障壁に激突する。
一瞬眩い光を放つ障壁だったが、すぐに乾いた音と共に砕け散った。
「よし!!行けるぞ―――」
と、その時。
魔術の向こう側で、何かが光った気がした。
なんだアレと思った時には、もう遅かった。
4つの魔術が、一瞬で真っ二つにされた。
「...は?」
訳も分からず呆然としている間にも、前方の敵はどんどん減っていく。
そうして残ったのは、4人の人間だった。
「久しぶりだな、ライト。」
その中には、かつての父―――いや、最強の剣士がいた。
〇
「...チッ」
思わぬ再開に舌打ちをする。
正直、今更剣聖如きが俺らに敵うなどとは思っていない。
だが、アイツの力は厄介だ。
さっきも見たように、アイツは魔術を両断出来る。
魔術特化な俺らからすると少し分が悪い。
...が、さっきよりは状況は好転している。
10万もの敵を相手にするよりは圧倒的に楽だ。
「ライト!!」
「何だよ、クソ野郎。」
突然俺の名を叫ぶ元父を見て、思わず悪態をつく。
「...お前が元気でなによりだ。」
一瞬の沈黙ののちにその男から放たれた言葉を鼻で笑う。
「ハッ、よく言うよ。そんなことより良いのか?包囲網を解いて。」
揶揄うような俺のその問いは応えず、剣聖は口を開いた。
「...私はお前になんて言えば良いのか分からない。だが、これだけは言わなければと今思った...今のお前には――いや、お前だけが、信念を持っていない。」
「俺だけ、ねぇ...じゃ、他の隊員は皆信念を持っているとでも?」
意味不明な剣聖の問いに、俺はそう答える。
この問答に意味があるとは思わないが、時間を稼げば稼ぐだけ生存率は上がるのだ。
そのチャンスをくれるっていうなら貰ってやろうじゃないか。
「目だ。」
「は?」
「お前の目は、人殺しの目だ。」
...落ち着け。コイツはきっと、俺をイラつかせて戦いにくくさせたいだけだ。
それに、時間を稼がなければ。
苛立った心を落ち着かせながら、そう自分に言い聞かせる。
―――だが、心の奥底では。
この問答から逃げてはいけない、そんな気がしていた。
「お前は...お前は違うのかよ!?」
「あぁ、違うとも。どれだけ称賛されようとも、私は自分が犯した罪...人を殺すという悪を自覚し、その上で戦って来た。これは、戦士ならば...戦う人間ならば、誰もが持つべき心構えだ。」
「...何が言いたい!」
「お前は分かっているのか?お前が無造作に殺した兵士達にも帰りを待つ家族がいたという事を。」
「知るか!戦争に従事している以上、死ぬのは...殺すのは罪なんかじゃない!たとえ家族がいようが、善人だろうが!!」
ただの時間稼ぎのための会話。
そんな言い訳じゃ、もう心を納得させられなかった。
「罪ではない。だから誰も罰さない。だが悪だ。誰かが悲しむ事をするというのは、どんな理由が伴っていようと悪なんだ。ライト。」
「...ッ」
―――納得、してしまった。
だけど、それがとても悔しく思えて。
敵の言葉に惑わされるな、と自分に言い聞かせる。
そうだ、敵だ。
コイツは敵なんだ。
敵だから、殺す。
いや――――――生き延びるために、殺す。
「――――総員戦戦闘準備。たかが4人だ、殺して突破するぞ。」
「...了解」
何故か、隊員の声にいつものような元気がない気がした。
〇
「もう良いか?」
「...そうだな、すまんエイベル。感謝する。」
「まぁいい...じゃ、取り合えずボコしますかね。」
「あぁ。」
短くやり取りをする二人。
まるで旧友との会話の様な雰囲気を醸し出していた二人だが、しかし直ぐに殺気を含んだ鋭いモノに変わる。
「おいスペンサー」
「......」
「無視すんな。分かってるだろ?打ち合わせはした筈だ。」
「...クソッ。分かっている。」
悔しそうな表情をする剣聖に対し、冷ややかな目するもう片方の男。
剣聖は数秒険しい表情をして目を瞑っていた。
そして目を開ける頃には、剣聖は覚悟の決まった顔をしていた。
「我が求めに応じ、その力を解放せよ―――“
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