第29話 これから
致命的なミスに気付きました。
なんとか修正出来ないかと頭を悩ませておりましたが、どうやらそれも出来そうないので大幅に編集することにしました。これ投稿したら編集します。
ヘタクソな文章2度も読ませんな!と思う筈なので、簡単に説明しておきます。
25話あたりの描写で、懲罰部隊の面々はサラ(王女)が王女であると知ることになっていますが、本来の流れでは知らないことになっていました。
主人公含めた懲罰部隊は全員、自分達を助けたの人物について、何やら合衆国王国の部隊にいた心優しき少女。という風に認識しています。
あと、投稿遅れてすいません。基本不定期ですので(汗)
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「って事で、これからの事を再び話し合おうじゃないか」
カビ臭い船底にある、積み荷を入れるスぺ―ス。そこで、俺達は一か所に集まっていた。何人かは相変わらず面倒くさそうな表情をしているが、それでも話し合う必要がある事は分かっているのだろう。一応、全員が集まっていた。
このようにして話したのはつい先日だが、事態があまりにも急変したため、再び話し合う必要が出てきたのだ。
今回は、先程めでたく部隊長となった俺が仕切っている。
「じゃあ、まずは状況を整理しよう。」
今俺達が向かっているのは異大陸。そこで懲罰部隊として戦う事になる。唯一の救いなのは、俺達が全員規格外の力を持っていることだ。
今後何をしていくにも、この力が必要になってくるだろう。
そんな感じの話をした。皆もそれは分かっているのだろう。
反応は頷いたり無反応だったりだ。
「異大陸で俺達が取れる行動は、今思いつく限りでは2つだ。まず一つ目、とりあえず大人しく軍の命令に従う。そして機を伺い、反乱を起こすなり王国本土にに潜入するなりする。二つ目、異大陸についた瞬間暴れる。ついでにそこの指揮官の首でも取って、それを見返りに合衆王国につく。」
最初の案で問題になるのは、その“機”がいつ来るのか分からないという点だ。機を伺っている内に合衆王国が滅びでもしたら目も当てられない。
そして、二つ目の案では信用に問題が出る。突然王国の兵士が寝返ってきて、しかも指揮官の首まで持ってきたとなると確実に怪しまれる。実力や行動である程度は信用されても、それはアベルの妹、つまり王族に会える程ではないだろう。
それではアベルの遺言を伝えられない。だから、俺としては一つ目の案が良い。
が、それは皆には関係のないことだ。コイツらが何を望むかによって、とる行動は変わってくる。
「今言った案はあくまでも現時点で考えられるっていう、適当な案だ。だから、その前にお前らがこの先何をしたいかを聞きたい。」
俺がそう言うと、場の雰囲気が少し冷えた気がする。
一瞬、沈黙の時間が流れた後、部隊の仲間達は思い思いの事を口にし始める。
「復讐したい。家族の仇を討つことが最優先だ」
「腐った貴族共を皆殺しにしてやりたい。」
「...俺はなんでも良い。復讐にも興味はない。」
「俺も何でもいい。強いて言うならあの少女に恩を返したい」
「故郷に帰りたい」
「あの恩人に仕える。今度こそ忠誠を果たして見せる。」
「合衆王国でノンビリ暮らしたい。」
「いいなそれ。俺も田舎でノンビリしたいわ。」
思ってたより“どうでもいい”みたいな考えの奴が多い。俺は大歓迎だ。復讐に燃える奴よりは扱いが楽だしな。
俺がそんな事を考えていると、ガルが口を開いた。
「じゃあ、一つ目の案にするか。」
今まで黙ってたガルが急に声を出して来たので少し驚いていると、今すぐにでも貴族を殺したそうな男が反発した。
「そんな弱腰でどうする。その機とやらを逃すかもしれないだろ。一つ目の案は何の問題もないだろ」
「そんなことねえ。さっきの話聞いた感じじゃ、お前みたいな復讐を願う奴らより、そんな事どうでもいいって奴らの方が多い。一つ目の案じゃ合衆王国に信用させて貰えないだろうから、王国本土に上陸なんて時には参加出来ない。貴族たちに復讐する前に、その辺の王国兵相手に戦わされて合衆王国に使い潰されるってオチだ。」
ガルがそう言うと、その男は黙りこくった。
また少しばかり間が開くが、新たな案や意見が出てきそうもない。
「...じゃ、決定だな。一つ目の案で行くか。」
〇
「あ~~!...空気うめぇー!」
そう声を出し、思いっきり息を吸い込んだ。
という事でやって来ました異大陸!
いやぁ、監獄島で新鮮な空気を吸えたとは言え、その後は淀んだ空気の中。
これからはずっとこの美味い空気を吸えると思うと、気も晴れるってもんだ!
「おいそこ!口を開くな!」
だが、今は俺たちのような元囚人を上陸させているところ。
当然、監視役は居る訳で。
「あんまりはしゃぐなよ。その時が来るまで大人しくするんだろ?」
「...あぁ、悪い。」
同じ懲罰部隊の仲間、クラウ――合衆王国出身の少年――に注意されてしまった。
確かに、この案に決めたのは俺だ。ならば自分自身がしっかりしなければ。
そう気を引き締めた時、監視役が声を張り上げた。
「第4懲罰部隊大隊はここで整列!これより作戦を説明する!」
正規の兵士ではないため訓練もまともに受けた事が無い上に、その大小はあるものの犯罪を犯した奴らの集団。その練度は最低だ。故に整列にすらもたつく。
そして数分後、時間を掛けながらもなんとか汚い整列をし終えた。
あまりの酷さに監視役の男が呆れながら説明を始めた。
「貴様らには今から砦の守備に行って貰う!!砦の名はグラスゴー!そこは今、卑劣なる野蛮人によって危機に陥っている!!貴様らはその砦の援軍だ!だが砦は敵によって包囲されている!そこで我々正規兵が道をこじ開ける!貴様らはその道を通り、砦に入るのだ!!」
男の説明を聞いている途中、俺は違和感に気付いた。
(わざわざ正規兵が道を開ける必要があるのか?さっきの整列でも分かったが、この部隊の練度は滅茶苦茶だ。俺達が使い捨てで正規兵の道を開けるのならまだ分かるが、その逆とはどういう意味だ?)
そこまで考えて、俺はハッとした。
「まさか...!」
「――十中八九、囮でしょうな。」
声を掛けられた。元騎士のレオだ。
騎士をやっていただけあって、この作戦の本当の目的が分かったのだろうか。
「おそらく、我々懲罰部隊だけではなく、砦自体が囮なのでしょう。」
「...どういう意味だ?」
「おそらくですが、陥落寸前の砦に多くの援軍が送られたら、合衆王国軍の指揮官ははそこが王国にとって重要な砦だと勘違いするはずです。まぁ、援軍と言っても実際はただの犯罪者の集団ですので、大して戦力は変わらないと思いますが。そこから先は簡単です。敵の背後から攻めるもよし、砦を陥落させ、疲れて油断した所に攻めるもよし。陥落した砦で補給している敵を包囲し、閉じ込めるもよし。そんな感じでしょう。」
レオの想像力に思わず感嘆の声が出る。
「すげぇなあんた。」
「まぁ、騎士といっても筆頭騎士を任されていたので。それなりには。」
「へ~。」
え、めっちゃ優秀じゃんこの元騎士。
〇
合衆王国の王都にある、王宮の一室にて。
その部屋の中では金髪蒼眼の美しい美少女が、しかしその可憐な見た目とは裏腹に苛立ちを滲ませ、声を荒げていた。
「何故ですか!?」
「だから先程から言っておろう。クラウディアが人質として王国に送られて消息不明になった上、アベルの死が確認された今、お前まで失う訳には行かんのだ。」
その少女が声を荒げている相手は、金色の髪を持つ、壮年の男。
この国の王だ。
「それでは納得いきません!兄さんの仇を討つためにも、私は戦わなければ!!」
「...ハァ」
その男は疲れたように長い溜息を吐くと、しょうがないな、と言葉を続けた。
「そんなに望むなら良いだろう。」
「...っ!ありがとうござ――」
「だがしかし!条件がある!!」
「...条件、ですか?」
「あぁ、そうだ。まず条件1、敵から狙われるのを避けるため、身分は絶対に明かさない事!味方にもだ!」
その程度なら何も問題ない。もともと、自分自身でもそうした上で戦場に行くつもりだったのだ。
だが、条件“1”という事は、それ以外に条件があるのだろうか。
そう考えて身構える。
「そして条件2!主戦場には決して行かない事!」
「...なっ!?」
「お前が行くのは、砦攻略部隊の後方だ!」
砦攻略の後方部隊なんて、全く出番がないじゃないか。
そう思ってガッカリしている私に追い打ちがかかった。
「しかも陥落寸前だ!」
「そんなぁ!」
「これでも譲歩しているのだ!文句あるなら行かせんぞ!」
「ぐぅッ......」
こうなったら、父はテコでも動かない。説得するだけ無駄だ。
ショボいとは言え戦場は戦場。黙って引き受ける事にしよう。
「...分かりました。では、その砦の名前を伺っても?」
「あぁ、確か―――――グラスゴー砦、という名だったな。」
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3700文字、最長の文字数です。最初1300文字とかしかなかったからなぁ..
そろそろ書き方も慣れてきました。
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