第24話 邂逅

最近勉強しなさ過ぎて親に怒られました。

まぁ、一応中三のこの時期なので勉強しなきゃなのかもしれませんが...


もし投稿が途絶えても、エタった訳じゃありません。

それはPCが没収されたからです!

――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

牢獄の外から聞こえてくる戦闘音。

俺が目覚めた直接的な原因はそれだ。


けど、俺はそれ以上の何かを感じた。

義務感とでも言うべきなのだろうか。

ただ、“なにかやらなければ”と強く思ったのだ。



―――それは、長い眠りから覚めるのには、十分な理由だろう。



「......とりあえず、外に出るか」


俺はそう呟て立ち上がる。久しぶりに体を動かしたせいで一瞬フラッとした。


「――この腕輪、邪魔だな」



あの日。俺達は、脱獄に失敗した。

だけどあの時、この腕輪が無ければ結果は違っていたかもしれない。

この腕輪を見る度に、アベルの最期を思い出す。


...忌々しい腕輪だ。




――俺は、その腕輪に全力で魔力を注ぎ込んだ。


すると、その腕輪にピキッと罅が入った。

そして一瞬眩い光を発した後、腕輪は真っ二つに割れる。


「はッ。呆気ないな。」


――さて、行くか。







「要塞内から敵一個小隊出現!!」

「突っ込めぇ!!」

「うおおおおおぉ!」

「魔術隊は魔術を放て!味方に当てるなよ!」


監獄島に上陸した私たちは、要塞目掛けて一直線に走っていた。

だが、敵がただでそれを許すはずもなく、激しい抵抗を受けている。


「食い止めろおぉぉ!!」

「異大陸の原住民を殺せ!」

「魔術来るぞ!盾構えぇ!」


敵の指揮官は思慮深く、高い判断力も持っている。

それは、先の海戦で分かった事だ。


――だから、指揮官が命令を下す前に焼き尽くす!


「――“蒼炎そうえん”!――」


発動までのタイムラグをなくすため、詠唱を極端に短くしたそれは、本来なら威力が大幅に下がる。


だから、その分魔力をつぎ込んででゴリ押す!



青い炎が敵陣を襲った。


「“絶壁の水盾ウォーター・イージス”!!」



――が、突如現れた水の壁によって炎が消滅させられてしまう。


「野蛮人風情が!!皆殺しにしてやるよ!」


...あれが、敵の指揮官か。





「こんな島になんの用ですかなぁ!野蛮人!」


煽るように言ってくる敵の指揮官。

余裕もないし、そもそもこんなクズとは喋りたくない。


だけど、ここは王族として名乗り出なければ。


「...お前がここの指揮官か。私は第二王女、サラ・ブリセーニョだ。」

「おやおや!おやおやおや!って事はこの前死んだ王子の――」


「――その汚い口を閉じろ、クズが」





―――あぁ。分かってるよ。

兄さんがもう死んでるんじゃないかって事くらい。


...でも、お前の口からそれを聞きたくない。







「炎の精霊よ、偉大なる炎の精霊よ

 今ここに、この世の全てを溶かす灼熱となりて顕現せよ

 ただ熱く、ただ熱く、万物の根源たる太陽のように燃え盛れ」



だから―――――死ね。



「―――“太陽神の化身ザ・サンゴッド”―――」



――――その瞬間、太陽が出現した。

半径5メートル程の大きさでしかないそれは、しかし離れていても伝わる強烈な熱を纏っている。


出現した場所は私の上。


(このまま敵陣のド真ん中に落として、全員灰にしてやる!)


この魔術は、個人として扱える魔術の中では最上級に位置するもの。

防ぐタイミングがあるとしたら、それは詠唱中だけ。


――にもかかわらず、何の妨害もしてこなかった事には違和感が残るが...


ともかく、敵にはもうこれを防ぐ手段がない筈だ。

敵もそれは分かっているのか、彼らの表情からは焦りと恐怖が見て取れる。


「おいおいおい!すげぇなおい!こんな大魔術久しぶりに見たよ!」


......ただ一人、敵の指揮官を除いて。

そいつは、未だに不敵な笑みえを浮かべている。



「――だが、無駄だ。」


「...どういう意味だ?」

「まぁ見てろって」


そいつはそう言うと、手を“太陽の化身ザ・サンシャイン”に向けた。



「―――スキル、“万物干渉インター・フィオレンス”―――」



......ッ!?



―――魔術が、消された!?


「こういう意味だよ、王女様?」




―――――エイベル・メルハウザーという人物に関して、こんな話を聞いたことがある。第一次征伐軍の将軍を務めてたその人物は、いかなる魔術も妨害、強制消去する事が出来たらしい。故に、ついた呼び名は“魔術師殺し”。


征伐軍の壊滅、撤退の責任を追及されて離島の防衛部隊に左遷されたと聞いたが――


(その離島ってここだったの!?)



「ハァ、最悪...」


今の私で勝てる相手...か?

一瞬、撤退という言葉が脳裏に浮かんだ。しかし、それを許すような相手じゃない。


そんな私の考えを読んだのか、エイベルが話しかけて来る。


「どうかしましたか王女サマ?あなたも証を使えばいいでしょう!」

「...チッ」


そんなものあったらとっくに使ってるわよ!

悔しそうに顔を歪める私を見て、エイベルは更に笑みを深くした。


「そうだ!折角だし、あなたの兄上の死に様を教えてみましょ―――」








「――――“ウィンド”――――」



―――エイベルの声を遮って、突然、敵の向こう側から魔術が行使された。


大きな風の塊が、エイベル目掛けて飛んでいく。

初級魔術で、しかも省略詠唱。

魔術師殺しと呼ばれたエイベルに対する攻撃としては、最低の選択だ。


――同じことを考えたのだろう。エイベルがバカにしたような笑みを浮かべながら口を開いた。


「おいおい!俺様に対してその魔術はナンセンスだぜ!――“万物干渉”!――」


――しかし、その巨大な風の塊は消えなかった。


「はぁっ!?――――グフッ!?」


そして、そのまま魔術が直撃。海のある方まで吹き飛ばされていった。










(いや...え、え?は?)


状況をうまく呑み込めない。

思わず魔術が放たれた方へ目を向けると――





――――そこには、片腕のない少年が居た。





――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

なんかこの話まるごと蛇足な気がして来た...

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